小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

実話・ソープにタダで通う裏技・男にモテるキャバクラ嬢の極意

INDEX|73ページ/130ページ|

次のページ前のページ
 

そこへ優しい番長が帰ってきました。私が2人を紹介します。

「こちらは新入りさん。初犯なんだって。こちらがさっき話した経験豊富な人」

「よろしくお願いいたします」

 新入りさんはとても丁寧な挨拶をしました。

「そんなに気を使わなくっていいよ。彼は優しくてとってもいい奴なんだからさ」

 私は、優しい番長を右手で抱き寄せ、左手で彼の上腕を軽く叩きながら笑顔を振りまきます。


「文庫本の貸し出しは受けてるの」

 優しい番長が尋ねます。新入りさんが「いいえ」と答えると、番長は立ち上がって表の鉄格子越しに

「ハンチョウ。すみません。文庫本の貸し出しリスト、お願います」

 私は、このときハンチョウという言葉を初めて聞きました。


私達、留置人を管理している警察官は24時間交代で、3班に分かれており、各班のリーダーを「班長」と言うのだそうです。

 2009年からTBS系で放送された刑事ドラマに『ハンチョウ〜神南署安積班〜』というのがありました。このドラマの大ファンだった私には「班長」よりも「ハンチョウ」の方が馴染み深いのですが。

 また優しい番長が留置場での生活に随分と慣れていることに驚きました。何でも半年ぐらい前にも、ここの留置場に居て、今、彼は執行猶予中だったのだそうです。その時に知り合って仲良くなっているハンチョウが、リストを持って来てくれました。

「へ〜。『セックス』なんていう本もありますよ」


 新人さんが感嘆の声をあげます。