実話・ソープにタダで通う裏技・男にモテるキャバクラ嬢の極意
廊下にはいくつかの常夜灯がついていて、部屋の中の様子は灯りで見えるようになっています。隣では師匠が寝ていました。時々寝返りをうつのが分かります。
無表情な天井を見上げていると、退屈なあまり声を出したい衝動にかられました。何もやることがないので、部屋の中にあるトイレに行きます。
用はないのに。トイレに行くためには師匠と大将を、大股で開いてまたいで行かなければなりません。隣の師匠を踏まないように、師匠の足がどこにあるのか、注意深く布団の起伏を観察して、自分の足を置く位置を決めました。
その奥には大将が寝ています。同じように足のある場所を推察して足の置き場を決めました。物音を立てないように、そぉっと身体を移動させて、ようやくトイレに到達しました。日頃の感覚なら、めんどくさいと感じるトイレまでの、このような移動行為が何もすることがない私に僅かな刺激を与えてくれます。
トイレの横の鉄格子から廊下の外にある窓を鉄格子を通して覗くと、ほのかに外が明るんでいることが分かりました。天空にある満天の星と輝く月が、この明るさを与えてくれているのでしょうね。
トイレから戻って布団の中に潜り込むと、1時間ばかりでしょうか、眠ることが出来ました。
でも直ぐに目を醒ましてしまい、また何もやることが無くて、身体を動かすことも声を発することも出来ない時間が、私に苦痛を与え続けます。
窓ガラスが軋(きし)む音が聞こえました。外で強い風が吹いたのでしょうか?
もう一度、またもう一度、トイレに行きます。だって他にすることは何もないのですから。
全く何もしないで布団の中でジッとしているよりも、少し体を動かした方が、まだ楽でした。暗い牢屋の中には、えにも言われぬ陰鬱な雰囲気が充満していましたから。
作品名:実話・ソープにタダで通う裏技・男にモテるキャバクラ嬢の極意 作家名:匿名希望