実話・ソープにタダで通う裏技・男にモテるキャバクラ嬢の極意
「9番さん。当番弁護士さんが来て下さっているから」
――9番とは私のことです。留置場では拘束されている人を、警察官は全て番号で呼びます。9番というのは、2020年になってから身柄を9番目に拘束されたという意味です。ちなみに師匠や大将の番号は三桁でした。これは身柄を拘束されたのが、昨年の末だったことを意味しています――
留置場勤務の警察官が私を呼びに来てくれました。
(助かった。何とかなるかもしれない)
急いで留置場から出してもらい、接見室に向かいます。
「銃刀法違反なんだってねえ。持っていたのは拳銃?」
弁護士の先生は帽子をかぶった年配の男性でした。
「いえ、包丁です」
「包丁か。だったら無罪だな。まあ裁判が終わるまでしばらく拘束されてしまうだろうけれど。たいした事件ではないな」
「先生に、私の私選弁護人になってもらうことは出来ますか?」
「いや、私は当番弁護士だから。君の私選弁護人にはならないよ。まあ明日にでもなれば、別の弁護士がやって来るだろうから、また聞いてみるといい。たぶん私と同じ意見だと思うよ」
弁護士はそれだけ言うと、椅子から立ち上がって帰ろうとします。
「待って下さい。まだお尋ねしたい事や、お願いしたいことが!」
「いや。。。もう次に行かないといけないから」
弁護士は扉を開けると、そそくさと帰っていってしまいました。
(何なんだ。これは……)
海上に浮かび上がったはずの私の気持ちは、再び重苦しく深い海底に沈み込んでいきます。
作品名:実話・ソープにタダで通う裏技・男にモテるキャバクラ嬢の極意 作家名:匿名希望