実話・ソープにタダで通う裏技・男にモテるキャバクラ嬢の極意
手錠は、私が座っているパイプ椅子のパイプと腰縄とを接続して、私が立ち上がれないようにする為のものであった。
私の後ろにももう1つの椅子があり、そこに腰縄の縄尻を持った警察官が座っている。私が突然暴れたりしないようにドクターを警護する事が、この警察官に与えられた任務である。
この警護は、私を護送した2人の警察官が20分か、30分おきに交代で担当していた。帰りの護送車の中で私の左側に座っている警察官が語ってくれた。
「すごかったですね。マシンガントーク。2時間ぐらい。ずっとしゃべりっぱなしでしたよ」
主イエス・キリストはゴルゴタの丘で処刑された後、3日後に復活する。
私も、もう直ぐ外界とは完全に遮断された鉄格子の向こう側に復活できるのだろうか。
ほのかな期待を寄せて私は留置場に帰って行った。
ところで、今、私の手記を読んで下さっている皆様は、「ストックホルム症候群」という言葉をご存知だろうか?
日本大百科全書(ニッポニカ)では、次のように解説されている。
精神医学用語の一つ。誘拐や監禁などにより拘束下にある被害者が、加害者と時間や場所を共有することによって、加害者に好意や共感、さらには信頼や結束の感情まで抱くようになる現象。
1973年、ストックホルムの銀行で2人組の強盗が4人の人質をとって立てこもる事件が発生した。131時間に及ぶ監禁状況のなかで、人質は次第に犯人らに共感し、犯人にかわって警察に銃を向けるなどの行動をとるようになった。
また、人質のなかには、解放後に犯人をかばう証言を行う者や犯人に恋愛感情を抱く者まで現れた。
この事件をきっかけに、こうした極限状況で起こる一連の心理的な動きと行動が、ストックホルム症候群と名づけられた。
他者に支配された恐怖の感情を背景に、自らの生命を守るためにとる選択的で欺瞞ぎまん的な行動と説明されることもある。
これとほぼ対極にあると考えられるのが「リマ症候群」である。
これは人質監禁の加害者が被害者に次第に親近感を抱き、攻撃的態度が共感へと変化していく現象である。
1996年(平成8年)にペルーのリマで発生した日本大使公邸占拠・人質事件(ペルー事件)で、人質解放のために特殊部隊が突入した際に、人質監視役の加害者は、被害者との間に芽生えた親近感から人質に向けて発砲できず、特殊部隊に射殺される結果となった。
作品名:実話・ソープにタダで通う裏技・男にモテるキャバクラ嬢の極意 作家名:匿名希望