実話・ソープにタダで通う裏技・男にモテるキャバクラ嬢の極意
余談が長くなったが、精神鑑定に話を戻そう。ドクターから聞かれた。
「では、貴方が包丁を持って対峙した男性は、警察関係者だと思いますか」
ピィと空気が動く。これは精神鑑定とは、全く無関係の質問だ。
先ほどの「ソープランドに警官がタダで通ってるって誰から聞きましたか」という質問もそうだった。
間違いなく、このドクターは警察から、私が警察の不正をどこまで把握しているか。どうやって、かかる情報を知ることが出来たのかを聞くように依頼されている。
私が受けているのは精神鑑定ではない。警察が行っている精神鑑定という名の内偵だったのだ。
人間が持っている防衛本能と、生まれつき私が持っていた正義感が葛藤を始める。
私は正義を全うするためではなく、自分が自由を得るために、何度も口にしかけた言葉を呑み込んだ。
「う〜ん。どうなのかなぁ。分かりません」
繰り返しになるが、人は自分が話してると自分の自己顕示欲が満たされて快感を得られる。しかし相手の話を一方的に聞いていることには、かなりの苦痛が伴う。
どのくらいの時間が流れたのか? 私には全く分からなかったのだが、ドクターは、もう既に疲労困憊していた。
そんな中で、背後で警察が糸を引いている精神鑑定という名目の内偵は終わった。
最初に部屋に入った時、机を挟んでドクターが座っている椅子の対面にある椅子に私が座っていた。
そして、椅子と腰縄の間には手錠が掛けられていたんだが、その手錠が外された。
作品名:実話・ソープにタダで通う裏技・男にモテるキャバクラ嬢の極意 作家名:匿名希望