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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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響くがままに、未来 探偵奇談22 前編

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「逃げていいんだよ」
「逃げる…?」
「つらいことは、やめたらいいの」

優しい声は、決して突き放しているわけではないようだ。

「わたしには…柊也くんがどうして悩んでいるのかはわからないけど、これだけは言える。逃げてもいい。やめてもいい。わたしは逃げてよかった。いまは幸せだから」

逃げたいし、やめたい。それを邪魔しているのは、たった一つの執着。

「もう、やめたい…」
「うん…」
「もう、憎みたくない…繰り返したくない…終わらせたい…」

いいよ、と彼女は笑った。

「終わらせて、いいんだよ」

頑張ったね、柊也くん。

その優しい声とともに、温かな腕に抱かれた。



長く忘れていた、人の温かさだった。




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