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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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響くがままに、未来 探偵奇談22 前編

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「…夕島に言われた。おまえはもっと苦しめって…俺が苦しみぬいて死ねば、あいつは満足なのかな…」

それは違う。穂積は、静かだが強い口調で言い切った。

「瑞、おまえの罪はもう一つだってない。紫暮くんと見て来ただろう?おまえも同じく、欲に溺れた私たちの祖先の犠牲者なんだ」

利用され、殺され、喰われ。その先でまた長く長く使役され…。

「おまえが苦しみぬいて死ぬようなことは、私たちも伊吹も、どんなことがあっても受け入れられん」

優しい声が、カエルの合唱に溶けていく。いつかの夏の風景の中で、こうしてこの人と言葉を、心を交わしたことがある。瑞の心の奥深くで、誰かがそう感じているのがわかった。

「夕島柊也の魂を、ここへ呼ぶ」
「え?」
「わたしはそういったことを仕事にしていたのだ。彼の思いを聞こうじゃないか」

冷えた、あの微笑みが浮かぶ。正直、彼と対峙するのは怖い。だけど。

「…わかりました」

穂積が立ち上がり、柏手を打った。その途端、夜の光景は一変し、辺りは暗闇に包まれた。





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