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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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響くがままに、未来 探偵奇談22 前編

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「転生の準備、順序、法則、そういったものをすべて無視し、彼は繰り返し蘇ってくる。瑞と伊吹の、すぐ近くで」

生ぬるい風が吹いた。

「そういう法則から外れる要素が一つでもあれば、繰り返しを変えられるかもしれない。例えば、一度でも、彼の死を止められれば…法則は変わるやもしれん」

死を止める…。

「彼の死は、どんなものだった?何か共通することはないか」

紫暮に尋ねられる。図書館で調べた記事、伊吹が立ち会った幾多の最期…それらを一つずつ思いだしながら、瑞は答えた。

「事故、殺人、災害…そういった、凄惨なものばかりだったとしか…」

残酷だ。死に方を選ぶことも、彼には出来なかった…。

「つまり死は突然のこと、予測も出来ないなら、止めようもない。そういうことになる」

紫暮が言った。

「そんな…」

穂積の提示した可能性がなくなれば、もう絶望的ではないか。瑞は項垂れた。だめなのか、運命は変わらないのか。

座り込んだ瑞の隣に、穂積もまた屈みこむ。

「…瑞、」