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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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最後の鍵を開く者 探偵奇談21

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「君は、誰だ。瑞の、何なんだ?」

真正面から見つめられ問われる。そうだ、この瞳を伊吹はよく知っている。覚えている…。

「俺、は」

言葉に詰まる。このひとの記憶もまた、自分と瑞の螺旋に巻き込むことがあれば…それこそ天狗の言うように、多大な影響を及ぼすことになる。夕島の存在はまさにその、「多大な影響」の一つである。紫暮にまで、その悪意が及ぶことはあってはならない…。

「…俺は、瑞の、味方です。現実だろうが夢だろうが、いつの時代、どこにいても、それだけは絶対に、変わらない…」

そうとしか言えない。だけどそこに、偽りはない。その思いだけは伝えたつもりだ。

「そう…」

たった一言帰って来た言葉は短かったが、紫暮がそれきり伊吹に意見を求めることはなかった。納得してくれたのか、満足してくれたかはわからない。ただいつものように穏やかな口調で伊吹に語り掛けながら、夕食の準備がすすんでいく。




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