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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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最後の鍵を開く者 探偵奇談21

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歯切れの悪いその返事は、郁が今まさに抱えている不安と同調する。何が、とははっきりとはわからない胸騒ぎを、颯馬も抱えている。それは全く根拠もなくてデタラメな直感なのだけれど、颯馬もまた同じように感じているのなら…やはり何かあるのかもしれない。

「い、行きたい…!行く!」

郁は殆ど反射的に答えていた。

『ほんと?じゃあ駅で待ち合わせよ』
「わかった」

何か、焦っている風な颯馬の行動に、郁は不安を隠せない。だが早く会いたいのは同じだ。
待ち合わせ時間を確認したのち電話を切った。

(準備しなきゃ…お金とスマホがあればいいよね…特急って幾らくらいかかるんだっけ?てか、須丸くんちなんてどこかわかんないけど大丈夫かな。颯馬くんは知ってるのかな)

考えていても始まらない。慌てて準備をすすめる郁の背後で、瑞からの返事がないままスマホは沈黙したままだった。





因果の糸は、瑞と「それ」の意思により、郁の指先にも掛かろうとしていた。





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