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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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最後の鍵を開く者 探偵奇談21

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「一つだけ、考えがある…」

坂道に差し掛かる場所で立ち止まり、瑞が呟いた。

「え…?」
「大いなる禁じ手だけどね」

禁じ手?

「穂積(ほづみ)なら…」
「ほづみ?誰、それ」
「覚えてないよな。俺の、生みの親というか…ものすごい力を持った陰陽師だよ。おまえは穂積の跡継ぎだったんだよ」

瑞を、生んだ人?

「言うなれば、この転生の中心にいる、もう一つの鍵だ」

鍵…。

「俺、、伊吹、紫暮…そして夕島。俺達の転生に関わっている縁の深い人物の中で、最も大きな影響力を持っているはずなんだ」
「そのひとに接触するにはどうしたらいい?瑞みたいに夢でなら会えるのか?」

じんわりと、風景が揺らめき始める。目が覚めるのだ。

「颯馬なら知っているはずだ。沓薙山にある神域のことを、聞いたことはないか?」

あ、と伊吹は思いだす。

「すべてを映し出す水鏡がある天然窟とかって」
「そうだ。天狗の審判からお前たちが戻って来た場所だ。あそこは沓薙四柱の懐。この夢と同じくらい、現実との境界が曖昧な場所」

風景が白んでいく。


「そこでなら…穂積に会えるかもしれん」


頼む、と悲痛な声が、真っ白な空間に響く。伊吹は瑞の指先を握った。

「…任せて」