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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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最後の鍵を開く者 探偵奇談21

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何の話、と郁は不安そうな表情を浮かべている。

「鈴が戻ったなら、しばらくは心配ないはずだけど、ちょっと対策考えないとだね」

詳しいことは向こうに戻ったら、と郁の前であることを気遣ってかそう言うに留めた。瑞も伊吹も、颯馬に聞きたいことが山ほどある。

「よかった、別に何もなくて」

郁も、何らかの異変を感じ取ってここへ来たのだろうか。京都行きが決まった経緯を知らない瑞は、心底安堵したというような郁の表情の意味も気になる。

「そんなこと言わずに泊まっていきなさいな」

お茶を運んできた来た紫暮が、すぐにお暇しますという二人を引き留めた。

「よくわからないけど、瑞の為に来てくれたんでしょう?」
「いいのセンセ!やったあ~」
「駄目だよ颯馬くん!御迷惑千万じゃん!いいんです、すぐ帰りますから!」

無邪気に喜ぶ颯馬と恐縮しまくる郁に、紫暮が笑って見せる。

「弟に会いに来てくれた子たちを、トンボ返りさせるわけにはいかないよ。今日はゆっくりして、明日帰ればいい。男ばっかの家に一之瀬さんを泊めるわけにもいかないが、もうすぐ絢世も戻るから」

その申し出を受け入れ、二人はお世話になりますと頭を下げるのだった。


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