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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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最後の鍵を開く者 探偵奇談21

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「来ちゃった」

玄関で瑞が見たのは、バチーンとウィンクする颯馬と、その隣で申し訳なさそうに立ちすくむ郁の姿だった。

「いらっしゃい」

紫暮だけはマイペースを崩さないが、瑞は伊吹とともに呆気に取られて二人を見つめる。

「なんで!?」
「ごめん急に…あの、なんかいろいろ心配になって」

はしゃぐ颯馬の隣で、郁は申し訳なさそうに縮こまっている。
半袖にショートパンツという姿は、普段私服姿を殆ど知らないから新鮮だった。それと同時に。

(ああ、会いたかったんだ、すごく…)

会いたかった。本当に。
夕島の世界で拒絶され胸の痛みをはっきりと思いだせるけれど、それでもやっぱり彼女の顔を見ると、あんなのは夢だ、きっと嘘だと思う自分がいる。

「…ありがとう、来てくれて」

そんな言葉が口を突いて出る。本能的に飛び出した嘘偽りない本心だった。それが彼女にも伝わったのか、郁はやっと安堵したように笑ったのだった。

あがりなさいよ、と紫暮に促され、二人を座敷に通す。

「…顔見られてよかった。突然ごめんね。すぐ、帰るから」
「そうだねー。押しかけちゃって悪かったよ。ともかく瑞くんの無事を確認しないといられなかったんだ。うちのカラス、役に立ったでしょう?」

やはり颯馬は、瑞と伊吹に起きたことを把握しているようだ。