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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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最後の鍵を開く者 探偵奇談21

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瑞には、いつのときも必ず伊吹がそばにいたけれど。
夕島は、あの強烈な憎悪と幾多の死を、ずっと一人で負っているのだ…。気が遠くなるほどの繰り返しの中で。

「瑞」

コーヒーを淹れている兄が、こちらに背を向けたままで瑞を呼んだ。

「…なに」
「……」

兄は黙している。ぼんやりしているのか?なに、ともう一度促そうとしたとき。

「お役目様なら、」

オヤクメサマ?

「おまえに手を貸してくれるかもしれん」
「…え、なに?」

紫暮はそれきり黙した。

「…兄ちゃん?」
「え?」

振り返った紫暮が不思議そうに瑞を見ている。

「いま、なんか、言った?」
「いや…なにも。どうした瑞」

どうしたはこっちのセリフなんですけど。怖いんですけど。