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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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螺旋、再び 探偵奇談20

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「…俺の業を、おまえに負わせることになる」
「どういうこと?」
「おまえも見ただろう。ここに至るまでの、死の光景を」

見た…。幸福を一瞬で砕いた死の場面。そこに瑞がいた。

「おまえに巡り合うために、俺は幾度も生をやりなおした。少しでもズレていれば、終わらせた。かつての二人に一番近い二人になるまで、やり直して、見守って、だめだったらまたやりなおして…」
「うん…」
「その過程で、縁を持ってしまった魂があった。それが、夕島柊也だ」
「!」
「俺と伊吹のやりなおしに、巻き込まれて引っ張られた魂。深く縁を持ってしまったことで、彼の転生もまた俺達と一緒に廻ったんだ」

じゃあ、と伊吹は震える声で呟く。

「俺達が、彼の幸福を壊していたのか。彼が幾度も死ぬのは、俺たちのやりなおしに巻き込まれたから?」

そうだと思う、と瑞は呟くように答えた。

「…天狗に言われたことを覚えているか?」
「覚えてる。秩序をねじ曲げているって言われた」
「そう。人には定められた天命がある。それをねじ曲げるのは罪だと。俺達だけの問題じゃない。その身勝手に振り回される魂があったんだ。俺はそれに気づけなかった。自分達だけが幸福になることしか頭になかった。おまえに巡り合うことさえ出来れば、何でもよかった。ほかに巻き込まれる魂があったことなど…思いもせず」