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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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螺旋、再び 探偵奇談20

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やりなおし、やりなおし。全部全部やりなおし。

そのたびに、夕島柊也の生は強制的に終了してきたのだ。瑞と伊吹に巻き込まれ、切り離せなくなって、もうやめてくれと、今度こそ生きたいと、そう願っていたかもしれないのに。

「俺の罪が、そのままおまえたち二人に伸し掛かっている。好き勝手やってきたツケが、全部おまえに」

瑞が項垂れた。伊吹は、自分の幸福が尊い犠牲の上にあることを、このときようやく実感した、天狗に諭されたときのことが蘇る。瑞の大いなる行為が、ことごとく自分と周りを不幸にすると。許されない命などないと、颯馬も言ってくれた。だけど。

「俺達はこうなるまでに、何度も夕島を殺したのか…」

巻き込んだのだ。瑞の強い魂に触れて縁を持ってしまったがために…。

「あのときもう、許されたのだと思った。だけど違った。天狗はこうなることも見越して、俺達に未来を選ばせたんだな…」

死の光景が蘇る。あれは夕島柊也の魂の記憶の、ほんの一部にすぎないのだろう。もっと多くの悲惨な死があったに違いない。罪深い。あの憎しみに満ちた目が、脳裏に浮かぶ。憎いだろう、悔しいだろう。そう贖えばいいのだろうか。

触れていた瑞の手の感触が消える。

「…ここまでのようだ」

彼とは、夢の中でしか遭うことが許されない。夢が終わるのだ。

瑞の姿が、視えなくなる。同時に伊吹の意識も遠くなる。耳の奥で、夕島の放った言葉が繰り返し響いている。

白黒の世界で、夕島は今もまだ繰り返してきた死を思い、手に出来なかった幸福を求めているのだろう。憎しみが濃い影を落とし、彼をどす黒く染め上げていく。

それを生み出してしまったのは、ほかでもない伊吹達だ。

彼が救われることがあるとすれば、それは。







To Be Continued
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