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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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螺旋、再び 探偵奇談20

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(誰が…?何が?)

そばにいてやることしか、伊吹には出来ない。朝になったら、颯馬に電話してみようか。
夜が来て眠る時間になっても、伊吹は瑞のそばを離れられなかった。

「何かあれば呼んで。きみもちゃんと休むんだよ」

伊吹の気持ちを察してくれたのか、紫暮はそう言い残して自室へ戻って行った。
静かな夜だ。何の音もしない。薄闇の中でじっとしているうちに、少しずつ睡魔がやってくる。気が付けば伊吹は、うとうとと船をこいでいた。


………


伊吹、と呼ばれた。

「…?」

肩を優しく揺すられる。目を開けると、月明かりに照らされた瑞の部屋の中で、伊吹は意外な人物と向かい合っていた。

「み」

静かに、と彼は人差し指を口元にあて、周辺の気配に耳をそばだてている。

「聞かれているかもしれん」

緊迫している雰囲気だったが、伊吹は目の前に現れた「瑞」を前に動揺を隠せなかった。伊吹の隣に片膝をつき、周囲の気配を伺っているのは、かつて別離を選んだもうひとりの瑞。