今さら台湾旅行記
高雄の街には一本大きい川が流れています、その名も『愛河』、その川にかかる橋は夜になるとライトアップされ、愛河クルーズ、その名も『愛之船』が運航しているのですよ、一応結婚30周年の旅行ですからね、いくら倦怠しきってると言ってもそれくらいのロマンチックはあってもいいではないですか。
で、フェリーを降りたところに停まっていたタクシーを拾います、この運転手さん、結構な年配で、クルーズ船乗り場の目印となるホテルの名を告げても良くわからないみたいだったんですよ、でもガイドブックの地図を指さすと『OK、OK』ってことで乗り込みます、まあ、方向は間違っていないみたいだし、大丈夫だろうと思ったのですが……着いたところは確かにそのホテルの名前だったんですが、ずっと小さいホテル。
多分新しい方の大きなホテルは知らなかったのだろうと……台湾のホテルには英語名の他に〇〇酒家って漢字表記もありますから、そっちならわかったのかも。
とりあえず降りたは良いんですが、どうも様子が違う、でもそう遠くでもなさそうなので河を目指して歩き、橋のたもとで地図を見ていると大学生っぽい女性が声をかけてくれました、日本語で。
台湾では日本のアニメが大人気らしくて、若い人で日本語を学んでいる人も多いんですよ、就職にも有利なのかな。
そう言う人は日本語使ってみたいんですね、実際日本人観光客は多いですからそうやって話せば練習にもなりますしね。
で、その女性もクルーズ乗り場はよくわからなかったらしいんですが、目印になるホテルは知っていて、『あそこに見えるドラゴンの像が立ってるところ』と教えてくれました、で、無事にチケット売り場に到着。
クルーズも良かったですよ、橋ごとに違うイメージのライトアップがなされていて綺麗でしたし、南国の川面を渡る風が心地良くて。
中国語のガイドは全然わかりませんでしたけど、拍手が起こってましたから、多分名調子だったんでしょうw
で、その日の夕食は今度こそ駅弁。
ですが、台北駅で見かけた美味そうなのは売っていなくて、結局野菜あんかけチャーハンのような……まあ、チャーハンも台湾名物と言えないこともないし、野菜不足でしたしね。
11/30 3日目
私、典型的な朝型人間なんですよ、普段は大体4時ごろ目を覚まして、1時間くらいネットを眺めてそれから仕事にかかるのが日課、旅行中と言えどもそう大きくは変わらなくて、5時ごろには目を覚ましてしまい、しばらくベッドでぐずぐずしているんですが、目を覚ますとタバコも吸いたくなっちゃうんで、6時ごろには着替えて外へ出てタバコを吸い、台北駅の周辺をぶらぶらと。
で、今朝の朝飯は決まっていませんでしたから、屋台っぽい店で何か買ってホテルに持って帰ろうかと。
でも大抵の店は7時か7時半始まりなんですね、結局買えたのは饅頭です。
でも、それは一応ガイドブックにも出てた店で、写真を見て美味そうだなと思っていたキャベツ饅頭、妻は一個で充分でしょうが、私はちょっと足りなそうなので肉まんも。
美味かったですよ、妻も『美味しい』と喜んでました、肉まんの方はそれなりでしたけど。
キャベツ炒めを具にしたような饅頭、日本でもコンビニとかで売り出したらけっこう売れそうな気がします。
3日目は台北巡り、最初に行ったのは龍山寺、台北一のパワースポットとして有名ですよね。
朝は結構早かったんですが、8時頃には人であふれてました、地元の人と、台湾各地からお参りに来た人たちですかね、声を合わせてお経を唱えていたのが印象的、信心深い人が多いんですね。
お寺は例によって基本真っ赤で、装飾は極彩色、本堂(?)の前には献花台のようなものが備え付けてあって、ピンクの花が山盛り。
こう信心深い人たちに混じったら、郷に入ったら郷に従え、見よう見まねで手を合わせて(日本とはちょっと作法が違うようなので)お参り、境内には小さな祠がいくつもあって、一通り巡って、少しづつですがお賽銭も。
で、ここで一大アクシデント発生!
境内を一周して来て池の前で一息つくと、カバンのチャックが開いていて、財布がない!
台湾元はそう入っていなかったのですが、両替していない日本円も入っていましたし、クレジットカードや免許証も。
パスポートは別にしてありましたし、妻にも日本円を持たせていたので一文無しではないですが、カードと免許証を無くしては一大事ですよ、警備員に説明するのですが、お互い英語力が足りなくてこみ入った話は無理、まいった! と思っていたら警備員が社務所のようなところへ連れて行ってくれて何やら中国語で話すと、社務所の人が『これか?』とばかりに私の財布を掲げて見せます。
そう、てっきり掏られたと思い込んでしたのですが、実は賽銭を出したりしてるうちに自分で落としたらしく、それをちゃんと社務所に届けてくれた人が居たんです、台湾の方、スリなど疑ってスミマセンでした! あなた方は善男善女の鑑です、台湾元もすっかりそのまま入ったままで私の手元に戻りました、さすがにパワースポット、ご利益もあらたかでした!
もうね『謝々』の連発でした、拾い主がもしその場に居れば1000元札の一枚くらい惜しくないって感じで。
何やらあったかい気持ちで次に向かったのは中正記念堂、蒋介石のでっかい銅像があるところです。
ところで、蒋介石って、どうなんでしょうね。
『建国の父』であることはまあ、それに違いないんでしょうが、ぶっちゃけ毛沢東率いる人民解放軍に敗れて、台湾の地に中華民国を作り直したわけでしょう?
今でも外省人、内省人って言葉は生きている様で、元々台湾に住んでいた人々・内省人から見れば侵略者だったんですよね、今、台湾が親日なのは日本に代わって台湾を治めた蒋介石の圧政のせいもあると言う話も聞きますしね。
まあ、政治的背景はこの文章の本題ではないのでこれくらいにして、ここで有名なのは衛兵の交代。
銅像の左右には常に真っ白な軍服を着た衛兵が立っていて、1時間ごとに交代するんです、交代式に15分くらいかかりますから実質45分ですかね、この衛兵さんがマジですごかったです、それこそマネキンのように微動だにしないし、瞬きすら極力抑えているようなんですね、若くてなかなかのイケメンでしたから格好良かったですよ。
で、交代の衛兵が、腕を水平に上げて膝を45度に上げる独特の歩き方で像の前に進むと、それまでの衛兵は台から降りて合流し、ひとしきり交代の儀式をすると、交代要員と同じ歩き方で去って行くんですが、この交代式、号令がほとんどかからないのに動作がピタリと合う、どれだけ練習してるんでしょうね。
で、たまたま私がいた場所から、どこへ行くのか見えましたけど、エレベーターでしたw
エレベーターに乗る時もキッチリ行進してましたけどね。
次なる目的地は台北101、その名の通り101階建ての高層ビルで最新観光スポットです。
はっきり言って混んでましたw
ディンタイフォンと言う小龍包で有名なレストランも覗いてみましたが100分待ち、諦めてフードコートで食事をとりました。