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恥化しキミのこと

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恥化しキミの眼




眩しいと目を細めた。
茶化してみせるウインクとは違うアーチを描く。
瞑った目と片目から少し開いて見える黒いまなこが妙にいい。それこそ「目が離せない」というのだろう。この見入ってしまう情景は、「眼(まなこ)」ではなく、「目(め)」の成せる調和なのだ。
特に ラインが深い二重瞼(まぶた)でも バサバサと日陰を作るような長く密度のある睫毛(まつげ)でも 誰をも夢中にする流し目の決まる切れ長な目でもない。微笑むと下がる目尻もたれ目ではない。
特徴? あるかといえば、ない。
あるとすれば、視線がまっすぐに向かっているのに 真面目だったり笑ったりと変化を感じられることだ。 

目を閉じる。 目を開く。
目を上げる。目を下げる。
睡魔に閉じそうでまだ頑張る瞼の筋肉、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)がいじらしく可愛い。
目ヂカラもいいが、既に眼が夢に片足突っ込んで空(くう)をさまよっているのもいいだろう。
しかし、残念ながらそれを知らない。

実際は 眼球を含む目全体の仕業なのだろうが、眼が訴えかけてくる。
眼球の球体の一部だけでこんなに惹かれるのに まるごと一球だったらどれほどの威力を心に打ち込まれてしまうのか? もし二球だったら・・・。

「目は口程に物を言う」

いつか喋りだしたらと考えると きっと恐ろしい・・・。


作品名:恥化しキミのこと 作家名:甜茶