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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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影惑い 探偵奇談19

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「わっ」

ひとごみに押され姿勢を崩したところで、そばにいる別の誰かにぶつかってしまった。伊吹は尻餅をつく。

「すみません」

顔を上げて詫びる。制服姿の、同じ年頃の青年が、同じように尻餅をついている。

「いえ、こちらこそ」

柔らかく笑う彼に、重ねて詫びる。立ち上がり、彼の持っていた傘を拾って手渡し、伊吹は会釈をしてその場を離れようとした。

「あ、待って」

呼び止められ、振り返る。

「はいスマホ。落としてますよ」

ポケットから落ちたようだ。危ない危ない。

「すみません。ありがとう…」

それを受取ろうと手を伸ばしたとき。

「…?」

妙に冷たい感覚が手のひらに走った。氷のように冷たいスマホ。しかしそれは一瞬のことで、いつものような感覚で、手のひらにおさまる。

「それじゃあ」

青年が背中を向けて去る。伊吹は、そこから目を離せない。なぜだろう。なぜか、あの青年から目を離してはいけないと、警告めいた感覚が浮かんでくるのだ。

作品名:影惑い 探偵奇談19 作家名:ひなた眞白