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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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影惑い 探偵奇談19

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「おや、いまの日本の流れって授業で習った幕末の頃に似てないか?いや、日清戦争前も、外国との関係ってこんなんじゃなかったっけ?というように、過去の出来事から未来を予測することが出来る。このままだとやばいぞ、過ちを繰り返すぞ、って」

それってえ、と一番前に座っていたギャル子が手を挙げる。

「たとえ予測できても、未来を変えるなんてあたしら子どもには無理じゃない?それでも歴史を学ぶ意味ってあるー?」

無理じゃないし意味はある、と紫暮はギャル子を見つめた。

「君たちはもうすぐ選挙権を得るだろ」
「えーでも選挙って誰にいれていいかわかんないもん。政党がどうどか、国策がどうとか言われてもさっぱりだし。いっぱいいるじゃん?セージカって」
「誰か一人を選ばなくていい。こいつに任すとやばいぞって思うやつ以外に投票すれば、最悪の事態は回避出来る」

そっかあ、とギャル子は手を打った。なるほど、と郁も思う。

「センセ―、あたしちゃんと歴史ベンキョーして、こいつヤバイ!ってやつに投票しないように気を付けるねー。だからライン教えて」
「やってない」
「ウソばっかりー!じゃあメアドでいいから」
「ない」
「またウソー!じゃあ実家の電話番号!」
「実家に電話はない。号令」

チャイムが鳴って当番が号令をかけた。ギャル子玉砕である。紫暮は振り返ることもなく教室を出ていく。女子高生が手に負えるような実習生では到底ない。大人の男だなあと郁はちょっとどきどきしてしまった。ギャル子が悔しそうに瑞を振り返った。

「須丸のお兄ちゃんでしょー?ライン教えてってばあ」
「…俺も知らんもん」
「はあ?弟なのに?あんた嫌われてんじゃないのー」
「ち、ちげーし!知りたくもねえし!」

作品名:影惑い 探偵奇談19 作家名:ひなた眞白