音楽徒然
2029.06.28 ピアノのこと
ピアノは物心ついた頃から習っていました。
いわゆるお稽古事のレッスンで、曲は全部クラシック。
クラシックとは何たるや、ということを習わず弾いていたものですから、大学でジャズを始めたときに、リズムの取り方や音楽の構成の違いに、ものすごく苦労しました。
クラシックはいかに譜面を正確に弾いて音楽を再現するかに重きがあり、コードと簡単なメロディしか書いていないジャズの譜面を見たときは本当にびっくりしました。
クラシックの譜面には音符や記号どころか、指番号まで書いています。これを忠実に守らないと先生に注意されるわけです。親指から順に1~5まで記しているのですが、右手はもちろん、左手の指番号も書いています。
幼心に「どうして人の手の大きさはみんな違うのに、指番号を守って弾かないといけないのか。私はこうの方が弾きやすい」と思っていました。
先生には散々注意されましたが、音楽をやりたいだけの私には辛かったですね。
まあクラシックには向いてなかったわけです。
物心ついた頃からやってました、なんていうと自慢話みたいに聞こえるかもしれませんが、今はもう全くクラシックは弾けません。クラシックピアノは全く才能ないということに、中学一年のときに気づきました。
その頃親の影響でロックやフォークを聞き始め、音楽には他の表現の仕方があることを知りました。
ピアノはたしかその頃「ツェルニー」や「ブルグミュラー」をやっていましたが、もう「ツェルニー」が苦痛でしかない。(有名な「バイエル」の発展版のような練習曲集です)右手で16分音符を弾きながら左手で二拍三連符とか、ひとりで弾く意味がわからない、と感じていました。(先生ごめんなさい)
「ブルグミュラー」は物語の見える曲が多く、この楽譜のおかげでピアノの練習が楽しかったのですが、中2の中頃に最後まで終わってしまい、「ソナチネ」という楽譜に移行しました。
これがもう全っ然面白くなく(今ソナチネの練習しているひとごめんなさい)「次までに暗譜してね」と言われても、全然覚えられませんでした(暗譜とは、全く譜面を見ずに弾くことです)。当時クラブも受験勉強も忙しく、脳みその容量をオーバーしていたのかなと今になって思うのですが、延々とハ長調、次はト長調、またハ長調、ずーっとホ短調...リズムもずーっと一緒、メロディはあるけど風景が見えない、何にも記憶できない日々が続き、受験勉強を言い訳にピアノのレッスンを辞めてしまいました。
長くやっていたのにもったいない、と言われることもよくありましたが、今日までいろんな楽器をやってきて、やっぱり向き不向きはあると思いました。先日本番でピアノを弾く機会があったんですが、緊張しすぎてボロボロのがったがた...あんなに練習したのに本番も全く楽しめずだったので、向いてないということで譜面を書いて他の方に託そうと思います。
今、家にあるのはローランド社の電子ピアノです。ヘッドフォンをつなげられるので、夜でも弾けます。
長男が2才くらいのときに買ったもので、子供たちが寝た夜にコソコソと弾いていました。今はテレビ見てる真横でヘッドフォンつけて弾いてます。
時々、譜面を見ながら弾くこともありますが、もっぱらコード弾きです。
コード弾きとは、譜面や歌詞の上に記載されているアルファベット「G」「Am」「Fsus4」なんかを音符に分解して弾くことです。ギターはコードごとに決められたポジションがありますが、ピアノは鍵盤の数が多く展開することも容易なので(C=ドミソ、を、ミソドやソドミ、ドミソドなどと入れ換えることです)ギターやウクレレとはまた違った面白さがあります。
コード弾きは高校2年のときにそういう弾き方があることを知って、それから何年もすったもんだして習得しました。
今は超難解なコードでなければ、だいたい弾けます。
ただこれができるようになると、一番やりたかった弾き語りがほとんどの曲でできるようになるので、ピアノの細かい譜面、弾けなくなるんですよねえ。
もちろんピアノが大好きでクラシックもジャズもポップスも、譜面を見て弾けるしコード弾きもできる、という方はいます。
私はピアノで高度なことができないので、もっぱら原曲を聞いて、コードを分解しながら採譜をしています。自分のできる範囲のことを書くわけです。
耳コピでの採譜(音源から音を拾って譜面に書くこと)にはピアノが必要のなので、最近はよくピアノを触っています。
クラシックピアノでは何の結果も残せませんでしたが、日々音楽を聞いて採譜していると、やっぱりピアノはやっておいてよかったと思うのです。
習わせてくれていた両親には感謝です。私が未だに音楽にかじりついているのを見て、きっとあの世で笑っていると思います。