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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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すきま 探偵奇談18

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「帰れる…」

ホッとして立ち上がる。

「腹減ったあー」

夕島もまた、ホッとしたようにそう声を漏らす。ホッとしたように。ホッとしたように?

(あれ…?何だろう、また何か忘れているような気がする…)

さっき、なにか怖いことがあったような気がするのだけど。しかし瑞に考える暇を与えないように、電車が滑り込んできた。下りの二両編成の電車。ようやく町に戻れるのだ。

「瑞、もうぜってー居眠りすんなよ!」
「ごめんて。もう絶対寝ない。町に戻ったらなんか奢るってば」

開いた扉に、笑いながら夕島が乗り込む。瑞も続こうとしたそのとき。


ピリリッ


「!」


瑞のスマホが再びあの音を奏でたのだ。メール。

「瑞?」

スマホを開く。今度は、伊吹からのラインだった。


『ぜったいのっちゃだめ』


瑞は後ずさる。


作品名:すきま 探偵奇談18 作家名:ひなた眞白