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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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すきま 探偵奇談18

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伊吹は、笑っている。いつもの穏やかな顔で。それなのに、この人が何を言っているのか、瑞には理解できない…。

「ところで瑞、いつまで夕焼けなんだろうな」

弓道場内も、赤く赤く染まっている。ずっと夕焼け。終わらない夕焼け。夜が来ないなら朝もこない。ずっとこのまま。ずっとずっと。箱の中に閉じ込められた世界みたいに。

ポン、と音が鳴って、スマホにニュースが届く。瑞は震える指先でそれを開く。



〇△駅内で人身事故発生の為、ダイヤに大幅な乱れ。
なお線路内に飛び込んだのは、◇□高校一年生の、夕島柊也(ゆうじましゅうや)さん(16)と見られ、死亡確認。



「瑞、おまえいつまで寝てるんだ」
「え…」
「早く起きろよ」

伊吹が近づいてきて、伸ばした指先で額を軽く弾いた。


「…!」


辺りが強烈なオレンジ色に包まれ、目を開けていられない。

「先輩…?」
「ほら、起きろって」





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作品名:すきま 探偵奇談18 作家名:ひなた眞白