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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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悠久に舞う 探偵奇談17

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永遠の花



「…きみも不思議な子なんだなあ」

瑞が百合を送り届けて麻生家に戻ると、颯馬と紫暮が話をしているのが聞こえた。瑞は思わず足を止める。現実主義者の紫暮と、不可思議な世界で神様とともに生きる颯馬の会話に興味があった。

「え?そうですか?」
「俺の弟も、不思議なやつなんだ。似てるなあって。普通の人間には視えないものが視えてる」
「瑞くんにとっても俺にとっても、こういう世界はごく身近にあるものだから。別段不思議だなとか特別に感じることってないですよ。視える視えないっていうよりは、知ってる知らないの違いです」

颯馬らしい答えだなと瑞は思う。幽霊がいるとかいないとか、神様を信じるとか信じないとかといったレベルではないのだ。そう、颯馬や自分は知っている。この世界には、人間と隣り合って息づく様々な魂の形があるのだということを。

「知っているということが、怖くはないのか?」
「怖いと思ったことは、あんまりないかなあ。俺の場合は身を護るすべを持っていたっていうのもあるから」

二人のそんな会話を、瑞は玄関に立ったまま聴く。何となく、姿を見せるのが躊躇われた。昨日の弓道場でも、こんなふうに兄の思いを聞いたっけ。