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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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悠久に舞う 探偵奇談17

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熱が出るなんて小学生の頃以来かもしれない。本当に身体は丈夫なのだ。家族がびっくりしていたが、郁は自分でも驚いていた。

体温計を挟むと、まだ熱があるようだ。頭がぼんやりするし、全身がだるくて関節が痛い。
昨日雨に濡れたのがよくなかったのだろう。あの後、結局颯馬には何も話せなくて、彼はずいぶん気長に待ってくれたのだが申し訳なかったなと思う。帰ってから、濡れたままぼんやりといたのが熱の出た原因だろうが、

(いま何時…?)

スマホを開くと、正午を回ったところだった。午前中にメッセージが届いていた。

「須丸くんから…!」

瑞からのメッセージ。起き上がって、そっと画面を開く。

『伊吹先輩に熱出たって聞いた。昨日は若菜ちゃんの件で長々と引き留めてごめん。ゆっくり休んで。返信不要』

単純に嬉しい。ぶっきらぼうな文章だけど、気遣ってくれたのだというそれだけで嬉しかった。返信不要とあるが、郁は返事を送った。

『わざわざありがとう。大丈夫です。若菜ちゃんのこと早く解決するといいね』

しばらくして瑞から返信が来る。

『また来週にでも報告する。お大事に』

こんな些細な内容のやりとりでも、郁には特別なのだ。大切で、すごく嬉しいことなのだ。たとえ瑞に他意はなく、チームメイトの体調を心配した程度のことであってもだ。
今だって十分幸せなのに、どうしてそれ以上を望んでしまうのだろう。郁はスマホを胸に抱いて横たわる。熱が早く下がればいい。瑞に会いたかった。





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