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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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悠久に舞う 探偵奇談17

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「ありがとう颯馬」
「うん」
「また、なんかわかったら報告するよ」
「バイバイ」

瑞が足早に去っていくのを見送る。

「随分気安い仲になったようだ」

そんな声が聴こえて隣を見ると、作務衣姿の少女が座っている。この学校の守り神の狐だ。颯馬の家が仕える、沓薙山(くつなぎやま)の四柱の一柱である。中庭の祠に魂を沈め、学校を見守ってくれている。

「そう?俺、瑞くんとちゃんと友だちになれたかなあ」
「あれがお前を頼るようになったのがその証拠だろう」

先ほどの話、と少女は眉を顰めた。

「家を訪ね来るは契約した神ではないかとおぬしは言うたな」
「うん。そんな気がする。お狐さんはどう思う?」

この狐もまた、ヒトと関わりそこに契約を結ぶ存在であると言える。

「そうさな…死霊や魔のモノというよりは、古びた神であろうなという気はするが。人間からも忘れ去られたような。瑞が言うように邪悪であったというならば、ヒトに裏切られ魔に染まった神ということになるか」
「うーん。大丈夫かな、瑞くん」
「大丈夫でなかったら、またおぬしを訪ね来るであろ」

そう言って少女は笑う。なりは幼いが、友だちとの親交を微笑ましく見守る母親のような鷹揚さがあった。

「そうだねー。そんときには、助けてあげよっかな」






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