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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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悠久に舞う 探偵奇談17

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テレビの番組が切り替わり、八時になったことを知る。ふと、昨夜のことを思い出し、瑞は祖父に尋ねた。

「…ねえじいちゃん、若菜ちゃんて今日来た?」
「来てないが…もしかしてまた家に帰ってないかもしれんな」
「俺もそう思う」

心配だ。ウチに遠慮して今夜もまた寒空の下にいるような気がする。見てくる、と瑞はコートを来て集会場に向かった。

(やっぱりいる)

昨日と同じに、ブランコに座っている。学校帰りの服装のままだ。瑞は半ば怒りながら彼女に近づく。

「うちおいでって言ったじゃん」

若菜ははっと顔を上げて瑞を見た。どこかばつが悪そうな、それでいてほっとしたような表情が青白い街灯に浮かぶ。

「…でも毎日行ったら迷惑だし」
「もー。そんなことないってば。こんなとこに一人でいられる方が心配だし、ご迷惑でしょ」
「そっか、ごめん…ありがとう…」

若菜を連れ帰ると、玄関で紫暮が待っていた。

「若菜ちゃん、こんばんは。大きくなったね」
「あ…紫暮くんだ。こんばんは」

小さい頃から夏休みや冬休みのたびにここに遊びにきていた瑞ら兄弟と若菜は、幼馴染みのようなものだ。紫暮とも気安い仲で、一人っ子の若菜は兄のように慕って後をついてきてたっけ。