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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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悠久に舞う 探偵奇談17

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「だって教育実習なんて…あいつそんなこと一言も…」
「あ、瑞にも言ってないから」

何だって?あっけらかんととんでもないことを言う。まじまじと顔を眺めてしまう。確かに、どことなく似ている。

「お疲れさまでーす」

弓道場の入り口から瑞の声が聴こえてくる。

「瑞、元気そうだな」

兄が来ることを知らされていなかったという瑞は兄の姿を認めたかと思うと、大きな目をさらに大きく見開いたかと思うと。

ものすごいスピードで踵を返して回れ右、その場から逃げだそうとした。その襟首を長い腕を伸ばしてがっと掴んで引き戻し、紫暮が穏やかに笑う。

「こらこら、弓道場で騒ぐんじゃないよ」
「なんでいるの!?何しにきたの!?」
「教育実習、の事前訪問」
「きょ、きょういくじっしゅう…?」

さーっと青ざめる瑞。嬉しそうな紫暮。目に見える兄弟の温度差に、伊吹は力関係を見た。兄貴のことがこえーんだな、と。シュンとなった瑞を放り、よろしくねと紫暮が笑った。




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