第八章 交響曲の旋律と
〈ベロ〉は、独自の判断で、「敵を全滅する」というルイフォンの指示を無視した。
[藤咲家]
藤咲メイシア
貴族(シャトーア)の娘。十八歳。
箱入り娘らしい無知さと明晰な頭脳を持つ。
すなわち、育ちの良さから人を疑うことはできないが、状況の矛盾から嘘を見抜く。
白磁の肌、黒絹の髪の美少女。
藤咲ハオリュウ
メイシアの異母弟。十二歳。
十人並みの容姿に、子供とは思えない言動。いずれは一角の人物になると目される。
斑目一族に誘拐されていたが、解放された。
藤咲コウレン
メイシア、ハオリュウの父親。
貴族(シャトーア)の藤咲家当主。
斑目一族に囚えられていたが、ルイフォンとリュイセンによって救出された。
藤咲家当主の妻
メイシアの継母。ハオリュウの実母。
メイシアが凶賊(ダリジィン)である鷹刀一族のもとへ行ったあと、心労で正気を失ってしまった。ハオリュウはそれを知っているが、異母姉のメイシアには隠している。
[繁華街]
シャオリエ
高級娼館の女主人。年齢不詳(若くはないはず)。
外見は嫋やかな美女だが、中身は『姐さん』。
元鷹刀一族であったが、イーレオの負担にならないように一族を離れた。
スーリン
シャオリエの店の娼婦。
くるくる巻き毛のポニーテールが似合う、小柄で可愛らしい少女。
本人曰く、もと女優の卵。
情報を得るために、厳月家の三男を呼び出してくれた。
トンツァイ
繁華街の情報屋。
痩せぎすの男。
キンタン
トンツァイの息子。ルイフォンと同い年。
カードゲームが好き。
[斑目一族]
斑目タオロン
よく陽に焼けた浅黒い肌に、意思の強そうな目をした斑目一族の若い衆。
堂々たる体躯に猪突猛進の性格。
二十四歳だが、童顔ゆえに、二十歳そこそこに見られる。
斑目一族の非道に反感を抱いているらしいが、逆らうことはできないらしい。
〈蝿(ムスカ)〉に、斑目一族から離反して、自分の手駒にならないかと誘われている。
斑目ファンルゥ
タオロンの娘。四、五歳くらい。
くりっとした丸い目に、ぴょんぴょんとはねた癖っ毛が愛らしい。
[〈七つの大罪〉]
〈七つの大罪〉
現代の『七つの大罪』(『新・七つの大罪』)を犯す『闇の研究組織』。
知的好奇心に魂を売り渡した研究者を〈悪魔〉と呼ぶ。
〈悪魔〉は〈神〉から名前を貰い、潤沢な資金と絶対の加護、蓄積された門外不出の技術を元に、更なる高みを目指す。代償は体に刻み込まれた『契約』。
〈蝿(ムスカ)〉 = ヘイシャオ?
〈七つの大罪〉の〈悪魔〉。
ミンウェイの父で、本名はヘイシャオ。
イーレオが総帥位を奪わなければ、鷹刀一族の中心にいたはずの人物。
鷹刀一族を恨んでいる。
医者で暗殺者。
娘のミンウェイを異常な愛情で溺愛している。
ホンシュア = 〈蛇(サーペンス)〉? = 天使?
鷹刀一族に助けを求めるよう、メイシアを唆した女。
仕立て屋と名乗っていた。
背中から光の羽を出し、まるで天使のような姿になる。
「記憶の書き込み」ができるらしい?
ルイフォンやリュイセンのことを知っている……?
メイシアのことを『選んだ』と言っている。
ライシェン
ホンシュアがルイフォンに向かって呼びかけた名前。
それ以外は不明。
『デヴァイン・シンフォニア計画(プログラム)』
〈蛇(サーペンス)〉が企んでいるらしい計画。
〈蝿(ムスカ)〉の協力が必要であるらしいのだが、すべてが謎に包まれている。
どうやら、〈蛇(サーペンス)〉は〈蝿(ムスカ)〉を嫌っているらしいのだが、この計画のために手を組んだようである。
[警察隊]
緋扇(ひおうぎ)シュアン
『狂犬』と呼ばれるイカレ警察隊員。三十路手前程度。
ぼさぼさに乱れまくった頭髪、隈のできた血走った目、不健康そうな青白い肌をしている。
凶賊(ダリジィン)の抗争に巻き込まれて家族を失っており、凶賊(ダリジィン)を恨んでいる。
凶賊(ダリジィン)を殲滅すべく、情報を求めて鷹刀一族と手を結んだ。
敬愛する先輩が〈蝿(ムスカ)〉の手に堕ちてしまい、自らの手で射殺した。
===大華王国について===
黒髪黒目の国民の中で、白金の髪、青灰色の瞳を持つ王が治める王国である。
身分制度は、王族(フェイラ)、貴族(シャトーア)、平民(バイスア)、自由民(スーイラ)に分かれている。
また、暴力的な手段によって団結している集団のことを凶賊(ダリジィン)と呼ぶ。彼らは平民(バイスア)や自由民(スーイラ)であるが、貴族(シャトーア)並みの勢力を誇っている。
作品名:第八章 交響曲の旋律と 作家名:NaN