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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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巡り合う街の不確定未来 探偵奇談16

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「なんかやってる」

広々とした公園に出ると、寒空のしたでフリーマーケットが開催されていて、賑やかな声が聴こえてくる。テントがいくつも並んでいた。豚汁や焼き鳥を振る舞っているようで、いい匂いが漂ってくる。たくさんのひとが集まっていて、子ども達の笑い声も聞こえてくる。
自作の絵を売るお姉さん、木彫り細工の実演販売をする老人、小さなステージでオカリナの演奏をしているおっさんたち。瑞の足は自然と公園の方を向いた。

「ねえ、おにーちゃん知らない?」

店を覗きながら歩いていた瑞は、突然コートの裾を引っ張られた。

「へ?」
「おにーちゃん…」

5歳くらいの少女が、振り返った瑞を見て表情を歪ませた。

「ええっと…迷子?」
「おにーちゃんがいなくなった…」

不安そうにそう零すものだから、もう放っておけない。瑞は少女の手をとって歩き出す。

「おにーちゃん、何歳?どんなカッコしてんの?名前わかる?」
「そんなんわかんない~…!」

ああ泣きそう。混乱させちゃったかな、と瑞は反省する。

「ごめんごめん。じゃあ、どうしようかな…」

店の並ぶメイン通りを見渡せる場所にベンチがある。瑞は少女とそこに座って人通りを眺めることにした。こういうとき、うろうろすると余計状況が悪くなるのだ。おにーちゃんとやらもこの子を探しているだろうし。

「おにーちゃん通りかかるかもしんないから、ちゃんと見てるんだよ」
「わかった…」