巡り合う街の不確定未来 探偵奇談16
「須丸くん?」
「俺もそこ好き」
「ね。優しい歌詞だよね」
ほら、同じところで好きだなって思える。似てるから?それとも何か別に理由があるんだろうか。不思議だ。
「どうしたの?」
郁が不思議そうに見返してきたとき。
「あー、インフルくんが復活してる~」
賑やかな声とともに、天谷颯馬(あまたにそうま)が教室にやってきた。やかましい男だ。
「誰がインフルくんだ」
「元気になってよかったね」
「颯馬って週末何してんの」
「デート!」
「あそ」
こいつに聞いた俺がバカでした。
そんなことをしている間にチャイムが鳴り、昼休みが終わりを告げたのだった。
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作品名:巡り合う街の不確定未来 探偵奇談16 作家名:ひなた眞白