小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

風鳴り坂の怪 探偵奇談15

INDEX|8ページ/35ページ|

次のページ前のページ
 


「でも、上がった先に出来た新道の大通りまでの近道になるから、また最近そこを利用する人が増えてるんだ」
「で、そこで怪奇現象?」
「そ。それが変質者騒動と関わりがあるらしいんだよね」

手伝えっていうんだろ、と瑞が言うと、へらへらと颯馬が笑った。別に手伝うこと自体は苦ではない。颯馬には世話になっているし、何よりもう他人じゃない。初めは何だか煩わしかったが、いまは友人だと思っているから。

「お願いできるかな」
「いいよ。俺が役に立てればいいんだけど」
「アリガト。明日の放課後、早速一緒に来てもらえるかな」

危ないことすんなよ、と話を聞いていた伊吹が声を尖らせる。

「ちょっと危ないことかも。だから先輩は連れていけない」

その言葉に、安請け合いしたかなと瑞は少し悔いた。颯馬が言うからには本当に危ないのだろう。

「でも、瑞くんがいれば多分ダイジョーブでしょ!」
「なんだよそれ…」
「じゃー明日またね!」

颯馬が帰っていくのを、瑞は伊吹とともに見送った。

「大丈夫なのか?」

不安そうな伊吹。

「頼むから、怪我とかそういうのはやめてくれよ」
「無茶はしません。とりあえずどんな様子か見てきます」

風鳴り坂というその美しい名前の坂で起きる怪奇現象とは、どのようなものなのだろうか。心配そうな伊吹をなだめながら、瑞は冬空の下を家路についたのだった。




.