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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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風鳴り坂の怪 探偵奇談15

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颯馬は、瑞らが来るのを予想していたかのように、校門に立っていた。雪はやんでいるが、灰色の空からはいまにも降りだしそうな雰囲気だ。

「お疲れ。来てくれたね」

瑞が口を開く前に、彼は言った。

「いま鳴ったでしょ、山」
「ああ…」

相変わらず派手な顔立ちの男だが、彼は天狗神社を継ぐ沓薙の御子。不可思議な力を持ち、それは同じような力を持つ瑞と引き合うかのように関わり合ってくる。

「ちょっと話聴いてくれる?」

にこっといつものように人懐こく笑うと、彼は歩き出した。瑞は伊吹とともに、それに続く。これは協力の依頼だと瑞は察した。颯馬が瑞に協力を求めてくるのは、これで三度目になるか。これまでも呪い騒動、お化け屋敷調査の解決のため、彼は瑞や伊吹に協力を要請してきたことがある。

「また何か、調査の依頼か?」

伊吹の問いに、彼は振り返って笑う。


「朝霧町の事件、知ってるでしょ?あれ絡み」

変質者が出ているという、あの…。

「天狗神社の頂上から、海みえるでしょ?沓薙山の反対側に海があってね」

海があるほうは市街地からは少し離れているし、瑞の住まいからは真反対である。だから行ったことはない。海水浴ができるわけでもなく、ザ・日本海といったごつごつした岩場ばかりらしい。

「海の近くの住宅地の中に、風鳴り坂っていう坂があるんだ」
「かぜなりざか?」
「そー」

そこは古い古い旧道。舗装もされていない狭い道で、地元の住民が使っているらしい。車は通れず、暗くて陰気な雰囲気から、夜間にはめったにひとは通らないようだ。