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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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春はまだ先 探偵奇談14

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校門をくぐると、見下ろす街は真っ白だった。駅前の商店街を行く人は、みんな一様に肩をすくめ、冷たい風雪から身を守るように歩いている。

「寒いですね」
「早く雪溶けてほしいな」

駅前へ向かう路地を進む。カラオケボックスの前で、高校生らがたむろしている。

「ん…あそこにいるの、一之瀬か?」

郁と、いつも一緒の友だち。どうやら他校の男子二名と話をしているらしい。しかし郁の表情は怯えているようにも見える。不穏なものを感じ、伊吹は眉をひそめた。

「なんだ?もめてるのか?」
「あのバカ…!先輩ここにいて!」
「え?瑞?」

瑞が苛立った声とともに駆けだし、伊吹は慌ててあとを追う。



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