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秘密結社ドゲッサー編第一話「オレたちが仲間になったわけ」

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 暗黒騎士の地獄耳が無くても聞こえる所まで来た。
 マグギャランはスカイの頬を叩いた。
 「大丈夫かスカイ」
コロンも心配そうな顔で見ていた。
 「…大丈夫?」 
 マグギャランは言った。
 「スカイの気付け薬「小人の肝臓殺し」は、コロンがドラゴンのダンジョンで全部飲んだから今はないし、コロン、気付け薬を錬金術で調合できるか」
 コロンは頷いて言った。
 「…うん。残っている材料で、作れるか見てみる」
 コロンは、背中の、赤いリュックサックから、様々な小瓶を出した。そして手際よく調合して小さい試験管の中に、少量の黄緑色の薬を作り出した。
 そしてマグギャランが、ぐったりしたスカイの猿ぐつわを外してスカイの口を開いた。
 コロンがスカイの口の中に試験管の中身を注ぎ入れた。
 スカイの口からモクモクと煙が上がった。
 マグギャランが言った。
 「コロン何を飲ましたんだ?」
 コロンは言った。
 「…今、残っている材料で出来たのは超強力眠気覚ましのエナジー・ドリンク。材料もドラゴンのダンジョンで、ほとんど使い果たしたの」
 マグギャランは言った。
 「ええい、スカイ。シャキーンとして起きるのだ」

スカイは遠い所で声が聞こえていた。
 「諸君等は男爵に叙せられる。君達は栄光あるタビヲン王国の貴族となる。スカイ・ザ・ワイドハート。君は混沌の大地のアレバ男爵領の領主となる……」
スカイは段々意識が戻ってきていた。
マグギャランとコロンがスカイを見ていた。
そうか、俺は気絶していたのか。
 スカイは上半身を起こし立ち上がった。
 身体がフラついた。だが、身体の節々が痛むが、もっと酷い状態になったことも在った。
 マグギャランは言った。
 「うむ、生きていたようだな」
 コロンは言った。
 「…よかった」

 暗黒騎士は式典が終わった事を確認した。
 スカイはアレバ男爵。マグギャランはキルカ男爵、コロンはノホホ女男爵に就任することになった。だが、全て混沌の大地の男爵だ。名誉男爵と同じような地位だ。今、混沌の大地は再び、タビヲン王国からの独立を考えている。強力な軍事力を誇った黒竜王が失踪して以降、続いている動きだった。今は混沌の大地は、なりを潜めているが、近いうちに反乱を企てることは間違いなかった。
 暗黒騎士は巨大ヘルメットのままスカイ達に近づいた。
 そして言った。
 「ホラ、あんた達。これから、シュラ姉とマグギャランの婚約披露宴が、身内で在るから「獣の縄張り」の宴会場「獣の宴」に来るの」
マグギャランは真面目な顔で言った。
 「判った」
 スカイとはコロンは顔を見合わせた。
 いつものマグギャランと様子が違った。
 暗黒騎士は言った。
 「それじゃ、私に付いてきて。「獣の宴」まで案内するから。何か、大変な事になっているらしいのよ。シュド・マーチャーセン達の話しがコモンの各国に広まって、「若返りの薬」をコモン各国が、ウチの国に渡すように要求しているらしいの」
スカイは言った。
 「だから、あれは俺達の物だろう」
暗黒騎士は言った。
 「いい加減諦めたら。そんな風に、しつこく執着しているから、絶輪軍団に「死のドンケツ」を食らうのよ。ただね、コモン各国も、どこの国が「若返りの薬」を受け取るかで内輪もめしているらしいんだって」
 マグギャランは、普段と違う口調で言った。
 「スカイ、コロン、済まぬ、今の俺は本気モードだ」
スカイは言った。
 「なんだよ、その本気モードってのは」
 コロンは言った。
 「……いつもは何なの?」
 マグギャランは言った。
 「シュラーヤとの婚約式は本気モードで行くのだ」
 暗黒騎士は言った。
 「本当に、シュラ姉も何で、こんな男と婚約するんだか」

 「獣の宴」の宴会場で、シュラーヤは白と赤のドレスを着ていた。
そして黒い髪を結い上げていた。そして白いリボンで結い上げた髪を纏めていた。
鉄仮面を被ったメイドが横に控えていた。
ルシルスらしい秘文字教の白い神官着を着た人間が黄色いフルフェイスのヘルメットを被って、手を振っていた。スカイが見るとVサインをした。
ミシュカらしい人間が金色の骸骨のフルフェイスのヘルメットを被って居た。だが、周りに男性は居なかった。
 なぜ、フルフェイスのヘルメットを被って居るのか不思議に思ったが。
 キステリが居るのを見て納得した。
ルシルスが黄色いフルフェイスのヘルメットを付けたまま前に出てきた。
 そしてマイクの前でテストを行った。
 カンペを見ながらルシルスは、しゃべり出した。
「えー、私、ルシルス・ヨーアック・クトイハが、婚約式の司会、進行を行います。それではマグギャラン・キルカ男爵前に出てきてください」
マグギャランとシュラーヤは目が合うと、二人とも赤くなった。
 オイどうしたんだ。
 何時ものエロいアイツは、どこに行ったんだ。
 オレの知っているナンパ男のマグギャランは、どこに行ったんだ。
 今のアイツはスカイの知らない別の人間のようだった。
 ルシルスがマイクで、しゃべり出した。
 「それでは、まずマグギャランさん、シュラーヤ姉様に、婚約するために、エメラン父様の所に行って、許可を取ってください」
マグギャランは椅子に座って腕と足を組んでいるエメランの所に行った。
 エメランは棒読みの台詞で言った。
 「どうした、何の用だ」
 マグギャランは言った。
 「シュラーヤさんを、私の嫁にください」
エメランは棒読みの台詞で言った。
 「まあ、いいだろう。だが、シュラーヤは、
簡単には与えないぞ。シュラーヤが20歳になるまで四年間待たなければならない」
 マグギャランは言った。
 「判りました。シュラーヤさんが20歳になるまで私は待ちます」
エメランは棒読みの台詞で言った。
 「シュラーヤを大切にするか」
マグギャランは言った。
 「はい、私はシュラーヤさんを大切にします」
 ルシルスがカンペを読みながら言った。
 「はい、次はシュラーヤ姉様です。アステア義母様の所に行ってください」
 シュラーヤは白と赤のドレスを引きずり、アステアの所に行った。
 シュラーヤは言った。
 「お義母様、わたくし、あの御方の求愛を受け入れます」
 アステアは棒読みの台詞で言った。
 「だめです、シュラーヤ。あんな男と結婚してはだめです」
 シュラーヤは言った。
 「いえ、わたくしの決心は変わりません」
 アステアは棒読みの台詞で言った。
 「ああ、シュラーヤ、愚かな子。あんな男の求愛を受け入れるとは」
 シュラーヤは言った。
 「いえ、お義母様が止めても、わたくしは、あの御方と結婚します」
 ルシルスがカンペを読みながら言った。
 「はい、それでは、マグギャランさんと、シュラーヤ姉様です」
 マグギャランとシュラーヤが、カンペを読んでいるルシルスの前に来た。
マグギャランが言った。
 「ああ、シュラーヤ」
 シュラーヤが言った。
 「おお、マグギャラン」
 ルシルスがカンペを読みながら言った。