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秘密結社ドゲッサー編第一話「オレたちが仲間になったわけ」

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 「許せスカイ。お前の為を思えば、こその処置だ」
 スカイは叫んだ。
 「離せよ!」
マグギャランは言った。
 「そこにいる「超ケダモノ」軍団の、皆皆さま方、手伝って下さい、コイツは突発性非双極性躁病質で、パーティーや式典になると浮かれて騒ぎ出すのです。タビヲン国王ガルガンダー4世陛下の前で騒ぎ出させるわけにはいけません、だから、コイツに猿ぐつわを噛ませて、手足を縛って置かねばなりません」
 マグギャランがインチキ臭い病名を言った。
スカイは叫んだ。
 「おい!手足まで縛るのかよ!」
だが、仏帳面面の「超ケダモノ」軍団の男達がスカイに近づいてきた。
 スカイの手足は、ふん縛られ、口にはマグギャランのハンカチで猿ぐつわが噛まされた。
 「超ケダモノ」軍団の入場行進が始まった。
 スカイは両足が縛られているため。ピョンピョンと跳ねながら入場した。
そして式典が始まり、続いていった。
ロールが髪に一杯付いた大臣らしい奴が読み上げていた。
「スカイ・ザ・ワイドハート君、マグギャラン君、コロナ・プロミネンス君、君達は、勇敢なる冒険家にして篤志家である。君達が、ドラゴンのダンジョンから持ち出した、数々の高価な財宝、時価総額十五億ネッカー(150兆円)を全てタビヲン王国に寄付してくれるとは。ありがとう。実にアリガトウ」
 どうみてもバカにしているような口調だった。
そして拍手が起きた。
 タビヲンの王様ガルガンダー4世は全身を怪しい赤と金の鎧で覆っていた。顔には青い仮面が付いていた。そして玉座に腰を掛けていた。
その横には仮面軍師鬼面丞が立っていた。
 居並ぶ連中は皆、何処か、頭のネジが緩んでいるようなイカレた格好をしていた。
 だが、集まっている連中の、ほとんどが、シュラーヤやキステリが着ていた服と同じデザインの上半身がダボダボした服を着ていた。どうやらタビヲンの制服のようなモノらしい。
だが、顔に仮面を被った奴や、三メートル近くか、それ以上在るような大男達が沢山列をなして並んでいた。
 スカイは、もう、居たたまれなくなった。
「ふんが!ほんげっ!ふんげっ!」
 変な音が出た。
 スカイは、俺のお宝物を返せと言っていたが、そんな音しか出なかった。
スカイは、マグギャランに猿ぐつわを口に填めさせられていたのだ。奴のハンカチは、奴が好きな香水ゴロジの、くどい匂いが染みついているハンカチでスカイは胸焼けがするようになって気分が悪くなった。
 あの財宝十五億ネッカー(150兆円)はミレルがスカイ達に、くれたのだから、スカイ達の物に間違いは無かった。
スカイは言った。
「フンガガッガッフーン!(俺の宝!)」
 涙を流しながら、スカイは縛られた両足でピョンピョンと跳ねて財宝の入った宝箱の方へ跳ねていった。
 すると、スカイの前に、口髭を蓄えた3メートル50センチ以上在る巨大な車輪を持った巨漢が腕を組んで立ちふさがった。そして言った。
 「タビヲン王国、国王、ガルガンダー陛下の前だぞ狼藉者め!」
 巨漢はスカイの頭を巨大な手で掴んだ。
 スカイは言った。
 「フンガ!(イテェ!)」
 スカイは頭を鷲掴みにされて怪力で持ち上げられて宙吊りにされた。
痛さの余り手足をバタバタさせようとしたが、縛られているため思うように動かせなかった。
 そして無造作に投げつけられた。
 スカイは宙を飛んだ。思わず叫んだ。
 「フギャア!」
スカイは巨漢達の方へ十メートル近く空中を飛んでいった。
 頭にヤギのような角が付いたフルフェイスのヘルメットを被った男に両手で受け止められた。
飛んでいく途中で見た限りでは、背中には二メートルぐらいある巨大な肉抜きした丸鋸を背負っている。絶輪軍団には、こんな物を振り回せるような筋肉の塊の巨大な体格を誇るバケモノ共が集まっているのだ。
口髭の巨漢が言った。
「やれ」
スカイは降ろされた。
スカイの回りに3メートル近くある皆、ビルドアップされた筋肉の巨漢達が集まってきた。そしてスカイを囲んだ。
 スカイは叫んだ。
 「フンガァア、フンフンフン!(テメェ等何だよ!)」
 巨漢達は皆、スカイに背中を向けた。
スカイは疑問に思って言った。
 「フンガッ?(何だ?)」
すると突然右横から巨大なケツがスカイを突き飛ばした。
 スカイは思わず叫んだ。
「フゥン!(イテェ!)」
 物凄い衝撃だった。一瞬意識が飛んだ。
 スカイが吹き飛ばされると、反対側から巨大なケツが飛んできた。スカイは直撃して一瞬気を失った。  
 だが、スカイは更に別の方向へ、飛ばされた、だが、そこにも巨大なケツが待っていた。スカイは巨大なケツで吹き飛ばされた。スカイの意識は、そこで完全に途切れた。

暗黒騎士はスカイが3メートル以上の上背のある「絶輪」軍団の超力重装戦士達に囲まれて「死のどつき回し」に掛けられているのを見た。「死のどつき回し」とは死ぬまでどつき回すリンチ殺人であった。それも、これは屈辱的な尻で、どつきまわす、「死のドンケツ」であった。
バカな奴。
 暗黒騎士はスカイを見ながら思った。
 コロンとマグギャランがスカイの救出に向かったが。絶輪軍団の巨大な鉄球を使う鉄球坊に通せんぼされて阻まれていた。
端から見ると、ふざけているようにしか見えないが絶輪軍団の巨体とパワーを考えれば一撃一撃が殺人級の攻撃だった。
そこに白髪の男がやって来て、鉄球坊の指を持って「崩れ落ち葉の肩」を使って投げ飛ばした。
 キステリ伯爵だった。
暗黒騎士は地獄耳で聞いていた。
絶輪が言った。
 「どういうことだキステリ伯爵」
 キステリ伯爵は言った。
 「その少年は、私の思い人だ」
 絶輪は溜息をついた。そして言った。
 「こんな小僧の何が良いというのだ」
キステリ伯爵は言った。
 「その少年の中には、私を惹き付けて、やまない野生がある」
 絶輪は言った。
 「この小僧、戦士スカイ・ザ・ワイドハートは、我が「絶輪」軍団が預かる。騎士マグギャランは「超ケダモノ」軍団が預かり、魔法使い見習いコロナ・プロミネンスは「殺戮の牙」軍団が預かる。そう鬼面丞が決めたはずだ」
暗黒騎士のパパが、やって来てキステリ伯爵の横に並んだ。
 「絶輪、めでたい式典の中で殺すことは無いだろう」
絶輪は言った。
 「確かに、そうだが。ガルガンダー陛下の前で暴れ出したのだぞ、エメラン・ヨーアック・クトイハ」
 暗黒騎士は驚いた。ニコニコ笑っている慈愛の緋石が暗黒騎士のパパとキステリの横に立った。あのバケモノが何でスカイを?
 仮面軍師、鬼面丞が、いつの間にかスカイ・ザ・ワイドハートの前に立っていた。
 「ク、ククククク…面白い、少年で…はないか、不…問、で良い…だろう…ガルガンダー陛下、の恩赦だ…ワレは、タビヲンの…軍略、を…司る者…ぞ」 
マグギャランとコロンが、倒れているスカイを、絶輪や、暗黒騎士のパパ、キステリ伯爵、鬼面丞達に気がつかれないようにコッソリと「超ケダモノ」軍団の所まで引っ張ってきた。