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秘密結社ドゲッサー編第一話「オレたちが仲間になったわけ」

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 「それは、キステリ伯爵の「連れ散れの花びら」は六本の剣が付いている分、複数の剣を相手にしても、一本の剣が担当する、防御範囲が狭くなるからだ」
 マグギャランは言った。
 「だが、キステリは、俺とスカイの前後からの攻撃にも「切羽止め」を掛けられ。素手と足で「切羽止め」を掛けた」 
ラメゲは言った。
 「キステリ伯爵は、十代前半から混沌の大地の戦争に出ている。戦の場数が違う。後ろから切り付けられる事にも慣れている筈だ」
 マグギャランは言った。 
 「判った。それでは、六の剣「双頭竜剣術」の極意技と戦わせてくれ」
 ラメゲは言った。
 「承知した。六の剣「双頭竜剣術」の極意技は「双頭竜の咆哮」だ」
 ラメゲは、双頭竜剣を回転させ始めた。
 マグギャランは、双頭竜剣の動きを見ていた。「双頭竜剣術」は防御の剣だ。
 回転させて速度が付いている剣でも、ラメゲは「切羽止め」を掛けられるのだろう。
 刃を見てはいけない。
 マグギャランは、ラメゲの「双頭竜剣」を操る手元を見た。
 マグギャランは「魔剣リヴァイアサン」を構えた状態から、ユニコーン流の、基本技、「衝角突き」を放った。
 ラメゲが回転させた、「双頭竜剣」の右側の剣で、「切羽止め」を掛けようとした。そして反対の左側の剣で「切羽止め」を掛けた状態で切りつけようとした。
 だが、マグギャランはリバース・スラストで弾き返した。
 マグギャランの「魔剣リヴァイアサン」と、ラメゲの「双頭竜剣」がはじかれた。
 両者の腕が上がった。
 互いに構え直そうとした。
 ラメゲは「双頭竜剣」を回転させようとした。
 マグギャランは、先に攻撃に出た。「衝角突き」でラメゲの「双頭竜剣」を持つ、柄の中心部を突いた。
 ラメゲの「双頭竜剣」の動きが崩れた。
マグギャランは、基本技「衝角突き」をラメゲの「双頭竜剣」の左の剣に向けて放った。
 キン!
 鋭い金属音と共に、ラメゲの「双頭竜剣」の左の剣が折れた。
 ラメゲは折れた、「双頭竜剣」を見た。
 ラメゲは言った。
 「よくやった。「双頭竜剣術」の極意技「双頭竜の咆哮」を、コモンの剣術で破るとは見事だ。次の七の剣に進むか?」
 マグギャランは言った。
「今の俺には七の剣まで進む資格は無い」
ラメゲは頷いて言った。
 「それがいい、俺も助かる」

暗黒騎士は言った。
「母様、どうしてカハイナまで来たのですか」
 ボンネットを被って旅装のコートを脱いだ、暗黒騎士のママは、暗黒騎士に言った。
「これから、新しく三人の男爵が誕生します。その式典の為と、シュラーヤの婚約のためです。ヨーアック・クトイハ侯爵家の娘達の縁談は私の仕事です。エメランにも会う必要があります。トパジア付いてきなさい。私の部屋で先に人払いが必要な話しが在ります」
 暗黒騎士は答えた。
 「判りました」
 暗黒騎士は、暗黒騎士のママと一緒に、回廊を歩き、「獣の縄張り」の中に入っていった。そして暗黒騎士のママが、カハイナの「黒水晶宮」に来たときに泊まる部屋に入った。
そして、暗黒騎士はテーブルの前に来た。
暗黒騎士のママは、旅の疲れを物ともせずに立っていた。
 暗黒騎士のママは言った。
「お茶を」
 鉄仮面メイドが言った。
 「かしこまりました」
鉄仮面メイド達が、お茶のセットと、お茶菓子を持ってきた。
 暗黒騎士と暗黒騎士のママは椅子に座って待っていた。
 暗黒騎士のママは言った。
 「人払いを」
 鉄仮面メイド達が言った。
「かしこまりました」
 ティラミス丸ごとと、マロン・ケーキ丸ごとだった。暗黒騎士も暗黒騎士のママも、何食べても、どれだけ食べても全然太らない体質のため、ケーキなどの甘い物の消費量は多かった。
 暗黒騎士はシュラーヤが居ないから気兼ねなく、ケーキをフォークで突き刺して取って口に頬張って食べた。
 暗黒騎士のママは怒った顔で言った。
 「トパジア、いつから、そんな下品な食べ方を覚えたの」
暗黒騎士はハッとした。スカイのバカが移っている。
 暗黒騎士は慌てて口元をハンカチで拭いた。
暗黒騎士のママは紅茶を飲みながら言った。
 「よく、お聞きトパジア。これから重要な話しがあります」
 暗黒騎士は言った。
「判りました」
暗黒騎士のママは言った。
 「トパジアの従兄弟で叔父のサフィアに伝言と、渡すモノが在ります」
暗黒騎士は言った。
「なるほど、政略ですね」
 暗黒騎士のママは言った。
 「そうです。トパジアは、冒険屋の一員としてコモンに行きます。そして、サフィアに会えるように段取りを付けます。私は、サフィアの携帯電話の電話番号を知っています。トパジアは、コモンに入ったら、携帯電話を買って、サフィアに連絡を入れなさい」
暗黒騎士は革の袋の中身を見て言った。
 「母様、これは、宝石ですね。軍資金ですか」
暗黒騎士のママは言った。
 「そうです。一万ネッカー(十億円)分の宝石が入っています。これをサフィアに軍資金として渡すのです」
 暗黒騎士は言った。
 「判りました」
 暗黒騎士のママは言った。
 「サフィアは、剣と魔法の腕は物凄く高いですが。全然空気を読めず。政治や、軍略を非常に苦手としています。サフィアは生まれつきアスペルガー症候群なのです。聞くところによると、着の身着のままでタビヲン王国からイネンシ王国に、ターレン王子一党は小舟一艘で向かったそうです。ですから、必ず、軍資金が無く、難渋しているはずです」
 暗黒騎士は言った。
 「判りました。軍資金を渡し、ターレン王子に恩を売るのですね。そして、万が一、ターレン王子一党が、タビヲン王国を支配した場合、クトイハ伯爵家の本領安堵を図るのですね」
 暗黒騎士のママは頷いて言った。
 「その通りですトパジア」
 暗黒騎士は言った。
 「それでは、判りました」
 暗黒騎士は立ち上がって。宝石の入った袋を手に持った。ずっしりとした重さが在った。
 暗黒騎士のママは言った。
 「よくお聞きトパジア。これからタビヲンの過去と今、未来の話しをします」
暗黒騎士は怪訝に思った。
「過去と今と未来の話しですか」
 暗黒騎士のママは言った。
 「トパジアは、まだ幼かったので判らないかもしれませんが、今、タビヲン王国は、昔の強勢さがありません。黒竜王が、黒竜王戦争で、タビヲンの剣士や騎士、超重装戦士達を殺しすぎたのです。今は戦争経験が無い若者達が主体になっています」
暗黒騎士は言った。
「話しに聞く、フラクター選帝国の最低最悪の凶剣士「屍」と、その、血に飢えた殺人鬼の部下達。「生まれつきの強者」タギャクイ伯爵を素手での戦いで殺して超人間と呼ばれるようになった秘密結社首領「不死鳥」と、その怪物の部下達。そして冷酷非情な女策士「獅子鷲」、陣形を操作することに長け集団戦で圧倒的な強さを見せる女将軍「天馬」。剣と魔法の天才「魔獣」サフィア。そして最強の剣士「黒竜王」」
 暗黒騎士のママは言った。