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秘密結社ドゲッサー編第一話「オレたちが仲間になったわけ」

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 「シュラ姉いきなりなんだよ。結構長かったけれど中で睦み合いでもしていたのか。アイツ、物凄くスケベでエロそうだぞ」
 シュラーヤは言った。
「違う事」
 暗黒騎士は言った。
 「なんだよ、激しく和合ハグハグとか、そう言うことじゃ無いのか」
 シュラーヤは言った。
「違う事」
 暗黒騎士は言った。
 「隠し事なんてズルイぞシュラ姉」 
 そして手袋を取って、暗黒騎士に赤いダイヤモンドの指輪を見せた。
 シュラーヤは言った。
「私、婚約したから」
暗黒騎士は言った。
「シュラ姉本気か、あのウジ虫と婚約したのか。結婚するように父上に言われた、はずじゃ無かったのか」
シュラーヤは言った。
 「トパジア、物事には段取りがあるんじゃ無くって」
 暗黒騎士は言った。
 「何だよシュラ姉いつもと違うぞ。いったい全体、中で何が在ったんだよ」
 
タビヲン王宮「黒水晶宮」の「殺戮の牙の縄張り」の地下にある、タビヲン王国、宰相にして、軍師の鬼面丞の執務室の中には鬼面丞が居た。
 そして、一陣の風が動いた。
 鬼面丞は、気配に気がついた。
 鬼面丞は行った。
 「だ…れ…だ」
ランプの明かりの影が長く伸びた。そして影から人影が起き上がり始めた。
 人影は言った。
「ふふん。僕はナゾーラだよ鬼面丞君」
 三人の冒険者達がドラゴンのダンジョンから持ち出した、財宝を広げて見ている鬼面丞の前に虹色の七色のマントに、白い笑っている仮面の怪人ナゾーラが現れた。
 鬼面丞は言った。
 「な…ん…の用…だ、どこか…ら入っ…てき…た」
ナゾーラは言った。
 「ふふっ、それはね。「緋色の蜘蛛の巣」学派の長である君が、ちゃーんと仕事をしているか、見てくるように「あの御方」と呼ばれる、あの人から命令を受けたんだ」
鬼面丞は言った。
 「ま、まさか、あの御方から!」
 鬼面丞の声は女の声に変わった。
 ナゾーラは言った。
「そう、有名な、あの人さ。一般的には「呪いの渦」と呼ばれている、あの外法使いの中の外法使いだよ。ほうら。預かってきた割り符もちゃんと持っている」
 ナゾーラは虹色のマントの中から青銅製の割り符を出した。その腕は黒いスーツを纏っており、白いシャツにカフスが付いていた。
鬼面丞は言った。
「そんな!何の用なのです」
ナゾーラは言った。
 「いやね。君が、しっかりとタビヲンの建国に参加した、御先祖様の衣鉢を継いでいるか確認して来いって言う命令なんだよ。だが、君は、タビヲン王国の内戦と混沌の大地戦争に破れてコモンの犯罪巷に「蠍夫人」として身を隠していたじゃないか。これは、あの御方は、かなり気にしているようだったよ」
 鬼面丞は言った。
 「だが、私は元に戻った!鬼畜三将軍達も、元通りに戻した!私は黒竜王によって行われたタビヲンの誤った変革を止めたのだ!タビヲンは昔通りの国になる!」
 ナゾーラは言った。
 「本当に良いのかね、それで良いのかね、今はコモンはグローバリゼーションの情報革命の真っ最中なのだよ。君は少し古くないかね。女としての盛りを過ぎた齢の君と同じようにね。くふふふふふ」
鬼面丞は言った。
「フラクターとは、混沌の大地の先住民族である亜人類の扱いを巡って今も対立を続けている。フラクターの「鋼鉄の歯車」学派が作ったテレビや携帯電話などという、オモチャの技術を手に入れることはできない。元々、フラクター選帝国は、魔法都市エターナルの反王権派の魔法使い達が作った民主制という、おぞましい政治システムの帝国だ。魔法都市エターナルが、だらしないから、こういうことになるのだ」
ナゾーラは言った。
「だが、君も、経済のグローバリゼーションを考えた方がいいよ。あの御方が、この技術革新を、どう考えているか想像してみたまえ。「あの御方」は九十九%極悪人だけど、一%だけ良いことをする時も在るんだよ。この譬え話は重大なヒントだ。それにね、その財宝についても、かなり微妙なんだな。君は、その若返りの薬を使いたいのだろう」
 鬼面丞は言った。
「なぜ、使ってはいけないというのです」
ナゾーラは言った。
 「君は、愛していた男と恋愛も結婚もできなかった女だからね」
 鬼面丞は言った。
「何故、それを!心を読んでいるのか!」
ナゾーラは言った。
 「うん、そうだよ。その若返りの薬という文字通りの魔法の薬で、夢が叶うと思っているのだね」
 鬼面丞は言った。
「なぜ、そんな事まで判る!心を読む魔法は上辺の思考しか読めないはずだ!心理障壁の魔法を掛けている!深層心理までは読めないはずだ!」
 ナゾーラは言った。
 「気の毒だけど、ボクは人の事は何でも判るんだ」
鬼面丞は叫んだ。
「人の心を覗くな!」
 ナゾーラは言った。
「女の子のファンタジーだよ。若返って二人でコモンを捨てて南方大陸に逃げようなんて。お人形ごっこだ。でも、あの御方からは、若返りの薬を全部没収して来いって言う命令が出て居るんだな。「緋色の蜘蛛の巣」学派の主である蜘蛛はタビヲン王国という蜘蛛の巣の中では自由に動けても、そこから出ることは出来ないと言う訳だ。クフフフフフフフフフ」
ナゾーラは笑った。
鬼面丞は慟哭した。
「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」
鬼面丞は赤い拘束着の服のまま身もだえして泣き崩れていた。
 ナゾーラは言った。
「泣いちゃダメだよ。ぼくが泣かした、みたいじゃないか。今ね、「あの御方」は、大計画を進めているのさ。そして、今、コモンでは、ボクが首領を務める秘密結社ドゲッサー計画が進行している。いや、コモンだけではないよ、フラクター選帝国も巻き込んだ一大プロジェクトなんだ。コレには当然、君の「緋色の蜘蛛の巣」学派も参加する事が望まれて居るんだ。命令と言う形でね。判るかねドゲッサー計画だよ。ボクが首領なんだ、首領ナゾーラと、これから呼んでくれないかな。これから詳細を教えてあげよう。秘密結社ドゲッサーとは……」
ナゾーラは鬼面丞に語り始めた。

翌日の朝、スカイの部屋でマグギャランとコロンも含めて朝食を食べていた。朝食が各部屋にホテルのように運ばれてきたので、台車ごと移動させてスカイの部屋のテーブルと椅子に座って食べていた。 
 マグギャランは言った。
 「スカイ、コロン。俺はシュラーヤと婚約する事になった」
「ぶっ!」
 コロンが両手で切り子ガラスのグラスを持って飲んで居たカシス水を吹き出した。
そして、コロンは、むせかえっていた。
 「げほっ、げほっ」
スカイは呆れて言った。
「おい、正気かよ、本当にカミソリ女と結婚の約束したのかよ」
 マグギャランは言った。
 「浮き世の奇縁とは不思議なモノだなスカイ。俺としても予想は出来なかったが。婚約することになった」
スカイは言った。
 「大丈夫かよ、お前、カミソリで切り刻まれて人肉料理にでもされるんじゃないか」
 マグギャランは達観したような顔で言った。
 「そう言うなスカイ。タビヲン女にはタビヲン女の良さがあるのだろうかな」
 スカイは青ざめて言った。