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秘密結社ドゲッサー編第一話「オレたちが仲間になったわけ」

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 「これが大人と言う物だよ。金髪の少年よ、さっきも言ったであろう、1に好色、2に多淫、3に移り気、4に裏切り、5に略奪、6に謀略だ」
 スカイは言った。
 「そんな徳目は捨てておけよ」
エメランは言った。
「小僧、冒険屋の仁義は、仲間は死ぬまで仲間だ。昔、仲間だったシュドの仲間は、私の仲間でもある。オマエ達三人の命は助けてやるよ。シュドのヤツは、まだフラクターに帰りたがっているのか」
 スカイは言った。
「何、シュドはフラクターの出身だったのか?」
エメランは言った。
「知らなかったのか?アイツはフラクターの奴隷の出身だったから根無し草だ。タビヲンに来るように勧めたが、アイツは根っからのビビリだからタビヲンにビビって来なかったんだ」
スカイは言った。
「そうなのか、そういや、アイツは沿海岸州連合王国の出身だと。ずーっと思っていた」
エメランは言った。
「コモンでフラクター出身とは言えないだろう」
 スカイは言った。
「ウチのロザ姉ちゃんは生まれた国のミドルン王国を捨てて、フラクター選帝国で公務員をやっているぞ」
 エメランは言った。
 「それは、一級市民か、二級市民だからだろう」
 スカイは言った。
 「よく判るな」
 エメランは言った。
「フラクターは一級市民や、二級市民には住み易い所かもしれないが、市民達の生活を支える奴隷出身のシュドには住み易くはなかったという事だ。だからコモンに来た。だがフラクター出身者はコモンでは差別される。就ける仕事が犯罪者か冒険屋ぐらいしか無かったらしいがな。それで冒険屋を選んだらしい」
 スカイは言った。
 「そういやシュドは自分の事を全然話さなかったな。まあ、冒険屋は、お互いに詮索しないのがルールだけれどよ」
 エメランは言った。
 「オマエ達が持っている剣は、本当に、伝説の剣、黒炎刻と「斬魔剣パラデイン」なのか」
マグギャランはキステリに斬られたせいか元気が無かった。
 口数が少なかった。
 スカイは言った。
 「そうドラゴンのミレルから聞いたけれど、こんな良い剣は一度も持ったことがねぇんだ」
 エメランは言った。
 「ちょっと、見せてみろ」
 スカイは言った。
 「何だよ、俺たちの、お宝を奪っただけで無く、オレの黒炎刻まで奪うつもりかよ」
 エメランは言った。
 「今、状況を考えてみろ。素直に見せた方が利口だぞ」
 スカイは舌打ちして言った。
 「しょうがねぇな、貸すだけだぞ、直ぐに返せよ」
 スカイは椅子から立ち上がって、腰の黒炎刻のベルトを緩めてエメランに渡した。
エメランは黒炎刻の鞘を払った。
 そして刀身を見たとき固まった。
 エメラン青ざめた顔で言った。
「何だ……この剣は。持つだけで、魂が震える」
 そしてエメランは鞘に黒炎刻を収めた。 
エメランはスカイを見た。
「小僧、お前は、なぜ、こんな剣を持っていられるのだ」
 エメランはスカイに言いながら黒炎刻を渡した。
 スカイは受け取って腰に黒炎刻のベルトを巻き付けながら言った。
 「いや、この剣は良い剣なんだよ。オレが今まで使ってきた剣の中で最高の剣なんだよ」
エメランはマグギャランの方を見た。
 エメランは言った。
「マグギャランと言ったな。お前の持っている「斬魔剣パラデイン」を見せてくれ」
マグギャランは言った。
 「ええ」
マグギャランは腰から「斬魔剣パラデイン」のベルトを外して、エメランに渡した。
マグギャランの「斬魔剣パラデイン」をエメランは抜いた。
 とたんに感嘆の声を上げた。
 エメランは立ち上がって、「斬魔剣パラデイン」を振り回した。すると空気を切る、うねりの音が上がった。
 エメランは言った。
 「素晴らしい!この斬魔剣は、黒炎刻とは違って、実に良い剣だな。実に良い剣だ。実に、惚れ惚れとする」
マグギャランが不安そうな顔をしながら言った。
 マグギャランは言った。
 「返して下さい」
 エメランは、あっさり言った。
 「嫌だ」
マグギャランは言った。
「私は騎士です。剣が必要です」
 エメランは言った。
 「確かに、そうだな。この「斬魔剣パラデイン」と交換で、私が佩いている「魔剣リヴァイアサン」を渡そう」
 マグギャランは露骨に嫌そうな顔をした。 「魔剣ですか。しかも「魔剣リヴァイアサン」とは聞いたことの無い名前です」
 エメランは言った。
 「それは、そうだろう、タビヲン王国の天才刀鍛冶が作った剣だ。コモンでは知られていないはずだ。だが、そんじょ、そこらの名剣や銘の在る剣より遙かに良い剣だ」
 エメランは上機嫌で腰の剣の「魔剣リヴァイアサン」を外し、自分の腰に「斬魔剣パラデイン」を巻いた。
 そしてマグギャランに「魔剣リヴァイアサン」を渡した。
 マグギャランは鞘を払って「魔剣リヴァイアサン」の刀身を見た。
 マグギャランは言った。
 「目、獣の目?魔物の目?何かの目が見える。オレに何かを伝えようとしているように見える。いや、気のせいか?目が消えた」
 エメランの顔が引き締まった。
 「それは、「魔剣リヴァイアサン」の「魔物の目」だ。それを見た者はタビヲンの大地が呼ぶと伝えられている。だが、お前は、外国人だろう、ミドルン王国人か?」
 マグギャランは言った。
 「ええ……そうです」
 スカイが言った。
 「いや、実はコイツは、最近ミドルン王国の国籍を……」
 マグギャランが言った。
 「コラ、スカイ馬鹿者、余計な事を言うな」
 エメランはマグギャランを見てニヤリと笑って言った。
 「騎士マグギャラン、お前は、タビヲンの大地に捕まったのかもしれないな」
マグギャランは言った。
 「どういうことですか」
 エメランは言った。
 「その「魔剣リヴァイアサン」を打った、刀鍛冶サリオットは、タビヲン王国の愛国者だ。タビヲン王国を救う強力な剣を作り出そうとして、一生剣を打ち続けてきた。だから「魔剣リヴァイアサン」の銘を持つサリオットの打った剣は、タビヲン王国を救う者を求め続けているという伝説が在る。それが魔物の目の伝説だ」

 暗黒騎士とシュラーヤとコロンは同じテントで眠った。
 シュラーヤは疲れたのかスースーと寝息を立てて眠っている。
 暗黒騎士の地獄耳は、いびきは勿論、寝息も聞くことが出来た。
 暗黒騎士は簡易ベッドの上で横になりながら言った。
 「コロン?」
 コロンは簡易ベッドに座って。魔法の杖に懐中電灯の魔法の炎を作って、空白の呪文書に魔法の数式を万年筆で書き続けていた。
だがコロンは返事をしなかった。
 暗黒騎士は言った。
 「怒っているコロン」
 コロンは返事をしなかった。
 暗黒騎士は上半身を起こして、簡易ベッドから起き上がって、コロンの横に座った。
 暗黒騎士は言った。
 「コロン、怒っているの?」
 だが、返事が無かった。
暗黒騎士はコロンの肩を揺すって言った。
 コロンが暗黒騎士を見て言った。
 「……どうしたのトパジアちゃん」
 暗黒騎士は言った。
 「もしかして、コロンは、私が呼んでいたのを知らなかったの」
 コロンは頷きながら言った。