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秘密結社ドゲッサー編第一話「オレたちが仲間になったわけ」

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「だが、この二人の、浅はかな女達は、我が友エメラン・ヨーアック・クトイハ侯爵の娘達だ!私は友の心痛を思い、二人同時に嫁に貰ってやろうと考える!異議は無いか!」
突然「超ケダモノ」軍団の中から、
 「異議無し!」
 と叫んで拍手するヤツが現れた。そして他にも現れた。
 「異議無し!」と
 叫んで拍手するヤツが現れた。
 拍手する人間達がドンドンと増えていった。
スカイは叫んだ。
 「俺達、何もしてねぇよ!」
 マグギャランも叫んだ。
 「そうだ!当方!双方合意の上!しかも年齢制限二十歳以上!無実だ!」
 キステリは大声で叫んだ。
「ウソだ!この者達はウソを付いている!」
スカイは負けじと叫んだ。
 「ウソじゃねぇ!」
 マグギャランも叫んだ。
 「そうだ!俺達は潔白だ!」
 キステリは更に大声で続けた。
 「異国人の言葉などを信用できようか!タビヲンの男の子(おのこ)達よ!ああっ!何と嘆かわしい事であろうか!」
キステリは両腕を交差させて胸を押さえたり腕を開いたり様々な大げさなジェスチャーをしていた。
 スカイは叫んだ。
 「てめぇ!勝手に話作っているんじゃねぇ!」
マグギャランも叫んだ。
 「そうだ!嘘八百を並べ立てるな!」
 コロンが金切り声で叫び声を上げた。 
 「……だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
キステリは大声で続けた。
「だが、なんと恥ずべきかな!この異国人達はタビヲン男子が娶るべき、見目良いタビヲンの娘二人を陵辱しておきながら、無関係だと言い張っている!許せるか!否!許すことなど出来ない!タビヲンの男の子達よ如何に為すべきか!如何に為すべきか!我々タビヲン男子は如何に為すべきか!」
 拍手して居る騎兵達が叫び始めた。
 「決闘を!異国人に死を!」
 一人が声を上げると。
 「決闘を!異国人に死を!」
 と連呼が始まった。
 スカイはエメランを見て言った。
 「どうなっているんだよ」
 エメランが意地の悪そうな顔でスカイを見て言った。
 「オマエ達は儀式をしなければならない。つまり命を賭けた儀式、「決闘」だ」
 コロンが言った。
 「……シュラーヤちゃんとトパジアちゃんを自由にして。そして、二人の部下の兵士達を殺さないで」
 エメランは言った。
 「それは、オマエ達が「決闘」でキステリ相手に勝てば考えてやろう」
 スカイは言った。
 「騙すんじゃねぇぞ」
 エメランは言った。
 「小僧、口の利き方には気をつけろ」
 そしてエメランは「超ケダモノ」軍団の騎馬の軍勢の前に立って良く通る声で言った。
 「今から、「超ケダモノ」軍団の軍団長、エメラン・ヨーアック・クトイハの名に、おいて「決闘」を行う。我が娘、シュラーヤ・ヨーアック・クトイハ、トパジア・ヨーアック・クトイハは、軍事目標である十五億ネッカー(150兆円)の財宝を守ることに失敗した。「超ケダモノ」軍団の軍規では死罪に値する。だが、我が友メロア・キステリは、我が娘達を嫁に貰うと言う。私は、この死罪に値する、娘二人をキステリに与える。だが、この、異国人達三人は、娘二人の自由と、娘達の部下の助命を申し出ている。我々、タビヲンの男達は何を為すべきか!」
 騎兵達が拍手しだした。
 「決闘を!異国人に死を!」
 一人が声を張り上げると。
 「決闘を!異国人に死を!」
 と連呼が始まった。
 エメランは、再び声を張り上げて言った。
 「判った!タビヲンの男の子達よ!我が友メロア・キステリと、この三人の異国人達の決闘の立会人は、この「超ケダモノ」軍団の軍団長、エメラン・ヨーアック・クトイハが行う!」
 「決闘を!異国人に死を!」
 「決闘を!異国人に死を!」
「決闘を!異国人に死を!」
連呼が始まった。
 そして、陣太鼓の様な楽器が鳴らされた。
 スカイはエメランに言った。
 「どういうルールだ」
 エメランは言った。
 「簡単だ。キステリに、オマエ達冒険屋三人がかりで、戦いを挑むルールだ」
 スカイはマグギャランとコロンを見た。
 二人とも頷いた。
スカイは言った。
 「行くぞオマエ等」
 スカイとマグギャランは前衛に立ち、コロンが少し離れた後ろに後衛として立った。
キステリは左手を開いた。
 イケメンの二人の騎士が、奇妙な形の剣を持ってきた。
 キステリは言った。
「これは、六本の刀身を持つ剣「連れ散れの花びら」だ。ネーミングは私が一週間掛けて考えた。連れて散る花びらとは、私の儚く可憐な人生を表している。この剣の最大の特徴は美しいこと」
 キステリはイケメンの騎士達が持ってきた六本の剣が六角形に広がる、奇妙な剣の中央の花びらを持つと、グルグルと振り回した。
キステリは自分の「連れ散れの花びら」を眺めながら言った。
 「うむ、美しい。美しいだけに、この剣の価値は存在する。実用性より、まず美しさが重要だ」
キステリは言った。
「さあ、それでは、決闘を開始しようかね、そちらの準備は良いかな」
 スカイは両膝を付いて跪いている、シュラーヤと暗黒騎士を見ながら言った。
「まさか、アイツ等の為に剣を振るうとはな」
昨日の蹴られていた段階では想像など、とてもできない事態の急転直下であった。
マグギャランは腰から「斬魔剣パラデイン」を抜いた。
 そして光り輝く刀身を見て剣に口づけをした後で言った。
 「まあ、騎士道的には仕方が無いか。俺の「斬魔剣パラデイン」は悪魔退治の聖剣だ。何の見返りが無くても騎士の名誉のために戦う事はある」
スカイは黒炎刻を抜きはなった。
 「へ、俺の「黒炎刻」の方が良い剣だ」
 おおっ、良い感触だ。
 手にジャストフィットするぜ。
マグギャランは言った。
「抜かせスカイ。騎士には騎士の剣が在る。それが、この「斬魔剣パラデイン」だ」
エメランは言った。
「黒炎刻に斬魔剣か伝説の二振りの剣を見るとはな」
 スカイは呪文書を開いて空中に浮かべているコロンに言った。
「コロン姉ちゃんも、しっかり頑張れよ」
コロンは大きく頷いた。
 エメランは言った。
 「それでは「決闘」の開始だ!」
キステリは言った。
 「私は、かっては、「超ケダモノ」軍団の最高幹部会「六本頭」の1つを担った過去がある。私は強いから君達には当然ハンデを、あげなければならない。それは1対3の戦いを許可するという事だ」
 スカイは言った。
 「勝負方法は、どうするんだ」 
キステリは言った。
 「砂時計の砂が全てが落ちるまでに、君達3人が倒れているか、私が倒れているかの、どちらかで勝負は決まる」
 スカイは言った。
 「時間は何分だ」
キステリは言った。
「どうしようかなエメラン。君が決めてくれないか。二人の花嫁を迎える花婿の友人として」
 エメランは言った。
「三分でどうだ」
 キステリは言った。
「うむ、結構。君達に異論は無いかね」
 スカイは返事をして言った。
 「構わねぇよ」
 マグギャランも言った。
 「異論無しだ」
 キステリは言った。
 「それでは、わたしのテーマ・ソング「キステリ・I・ラブ」を掛けてくれ」