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秘密結社ドゲッサー編第一話「オレたちが仲間になったわけ」

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暗黒騎士は言った。
「ねぇ!私達の手枷と足枷を外して!」
 シュラーヤも言った。
「そうです外してください」
 スカイは窓の外見ていた。
「うるせえな、今、それどころじゃねぇんだよ」
 暗黒騎士は言った。
 「こんな姿、パパに見られたら殺されるの!だから外して!」
 暗黒騎士がスカイ達に命令するように手枷を振った。
 シュラーヤは言った。
 「そうです。タビヲンの貴族社会は色々と決まりや規則が目に見えない形の他に貴族憲章と言う形であるのです。未婚の貴族の娘が異国人に捕まってしまうなど、あってはならないことなのです」
 シュラーヤも真面目な顔だった。
 マグギャランは言った。
 「だが、この炎の壁をどうやって越えてくると言うのだ。「超ケダモノ」軍団は「剣の技」に優れていると聞く。剣士達じゃ魔法は使えないだろう」
 暗黒騎士は言った。
 「ウチの家は剣と魔法の天才の家系だって言っているでしょ!パパなら、この火炎壁だって魔法で越えて来るに決まっているのよ!」
 シュラーヤも言った。
 「そうです。父上は、わたしなんかより、よっぽども魔法が得意なのです」
 スカイは言った。
「だが、打つ手無しだな。二千騎の騎馬の軍勢を捲いて逃げ出す方法を、どうやって考えるかが問題だぜ」
 マグギャランは言った。
 「まあな、コロンの火炎壁も何時までも使える呪文では無いだろう。時間稼ぎと見るべきだ……」
 マグギャランが言っている途中で、天井の方から男の声がした。
 「やあ」
 スカイは顔を上げた。
コロンが昨日開けた天井の穴から二人のオヤジが飛び降りて入ってきた。
 半ズボンの様な服にサスペンダーを付けたフリルが沢山付いた服の、足が細くて長い、膝の上まである長いフリルの付いた靴下のオヤジが笑顔を浮かべながら言った。顔が暗黒騎士に、よく似ていた。
一目で暗黒騎士の父親だと判った。
そして暗黒騎士がババアになると、どんな顔になるか大体想像が付いた。
それならば、コイツがクトイハじゃなくてヨーアック・クトイハ侯爵だ。
 もう片方の白いヤギ髯と長髪のオヤジはシュラーヤが昨日着ていた上着とマントと同じデザインのダボダボした紫色の服を着ていた。スカートになっているところが、乗馬ズボンになっている以外は全く同じデザインだった。そして左目に片眼鏡を掛けていた。
 そういえば、騎馬の軍勢の中にも、同じデザインの服を着ている者達が結構いた。何かの制服だろうか?
 スカイは言った。
「どうやって火炎壁を抜けた」
暗黒騎士のオヤジは言った。
 「こうやってさ」
 そして指をパチンと鳴らした。左の方へ瞬間的に移動していた。
 そして暗黒騎士のオヤジは言った。
 「どうだ判ったか?瞬間移動の魔法だ。私自身と、もう一人を、目視できる場所の百メートル以内ならば自由に運ぶことが出来る」
暗黒騎士のオヤジは、暗黒騎士そっくりなバカにしたような笑いを浮かべた。
 そして続けた。
「オマエ達はシュドの知り合いなのだろう。奴は相変わらずのビビリか?」
 暗黒騎士のオヤジが言った。
 スカイは言った。
「シュドの事を知っているのか?」
 暗黒騎士のオヤジは言った。
 「昔の仲間だ。私も、シュドと一緒に冒険屋をやっていたんだよ。今となっては懐かしい話だ」
 暗黒騎士のオヤジはニヤリと笑った。そして続けた。
「私の名前はエメラン・ヨーアック・クトイハ侯爵。「超ケダモノ」軍団の将軍として近隣諸国では「ヘンタイ将軍」として名を、とどろかせている、ちょっと恥ずかしい男だ。そして、コイツは、ゲイで女好きのバイセクシャルのメロア・キステリ伯爵だ。「色好み伯爵」「貞操の破壊者」とか言う、あだ名で呼ばれてる。冤罪でヘンタイと呼ばれている、私と違って本当に、そうだから気を付けるように。シュラーヤもトパジアも気を付けていろ。噂を聞いているとは思うがコイツは他人の結婚式の時にテーブルの下でヤっているような失礼で危険な奴だ。何処ででもヤる男だから注意するように」
エメランは笑いながら言った。
シュラーヤと暗黒騎士は片膝を付いて頭を下げていた。
 ヤギ髯の白髪の長髪が背中まで伸びているオヤジがスカイを黙ったまま見ていた。
 スカイはキステリに言った。
 「おい、オヤジ、何、俺を見ているんだよ。なんか視線が粘っこいぞ」
だがキステリは何も言わずにジーッとスカイを見ていた。
スカイは言った。
「コエーよ、何見ているんだよ。お前、ゲイとか言っていただろう」
キステリは言った。
「金髪の少年。君は昔、私が破れた恋の相手に、よく似ている」
 キステリは腕を組んだまま、スカイを見て言った。声はセクシーボイスだった。
 スカイは言った。
「何だよ、何セクシーボイスで喋っているんだよ。もっともらしい声出しているんじゃねぇよ」
 キステリは言った。
 「君の中にある、野生が私を惹き付けるのか」
 キステリは腕を組んだまま、もっともらしい声で言った。
 スカイは言った。
「野生なんかねえよ。何だよ、お前。俺はホモじゃねぇよ」
 キステリは言った。
 「つれないな。そう言うところも、あの男にソックリだ」
 キステリは沈痛そうな面もちでシュラーヤと暗黒騎士の方へ歩いていった。
 エメランが言った。
 「何やっている、キステリ」
 キステリは振り向いた。
「君の娘達を貸してくれ、ちょっとセックスしてくる」
キステリは真面目な顔で言った。
おい、何言っているんだよ。
 スカイは狼狽した。
 エメランは腕を組んだまま言った。
「貸さんよバカヤロウ、このクソ変態野郎。ペッ、ペッ、ペッだ」
 キステリは言った。
「そう言うな、我々は昔からの友達だ。貸してくれたっていいだろう」
全然良くねぇよ。スカイは思った。
 エメランは言った。
「お前は、私の部下だ命令を聞けキステリ。軍事目標である財宝の確保が先だ。下らない事は後回しだ」
エメランはスカイ達を見ていた。
 キステリは言った。
 「私は、以前、「超ケダモノ」軍団を裏切った男だ。命令なんか聞くと思うか。心の赴くまま、恋に私は生きる」
 エメランは腕を組んだまま言った。
「お前の恋は消費期限が一分ぐらいしか無いだろう」
 キステリは言った。
 「だから今貸してくれ。恋のパトスを昇華させるには君の娘達が今必要だ。この少年とは、じっくりと愛を育みたいが」
 キステリは真面目な顔でスカイをじっと見ていた。
 スカイはマグギャランに振って言った。
「こっち見るんじゃねぇよ!マグギャランの方がイケメンだぞ!」
 スカイはマグギャランを指さして叫んだ。
 マグギャランは言った。
 「こらっ!スカイ!馬鹿者!俺に振るな!」
 マグギャランはスカイを小突いた。
 キステリは言った。
 「美形の男は食い飽きたのだ、しかも君は中途半端な二枚目半ではないか。私は嵐のような激情の中、歩み続けた若き日の「恋遍路」の末、枯れた境地に達し、人の内面を見ることの尊さを学んだのだ。金髪の少年」
キステリは最後にスカイを見ながら言った。
 スカイは言った。