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秘密結社ドゲッサー編第一話「オレたちが仲間になったわけ」

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だが、シュラーヤはコロンに任せておけば平気だ。こうやってドラゴンのダンジョンも戦って来たのだ。
 暗黒騎士がスカイ目がけて、突きを放ってきた。スカイは黒炎刻で受けた。暗黒騎士は突きから変化させて剣を跳ね上げようとした。スカイは右半身を落とした。暗黒騎士の跳ね上げようとする剣を体重を掛けて押さえた。同時に横からマグギャランの「斬魔剣」が暗黒騎士の剣を挟んで押さえ込んだ。
 3つの剣が交差した。
 「どおりゃ!」
 スカイとマグギャランは同時に叫び声を出して足を一緒に一歩前に踏み出して暗黒騎士を剣ごと押した。
「天才の血を甘く見るな!」
 押された暗黒騎士が叫ぶと暗黒騎士の剣から爆発的な力が発せられた。同時にスカイとマグギャランの剣は跳ね上げられた。
だが、マグギャランの方に暗黒騎士の上半身が流れた。
 マグギャランは叫んだ。
 「スカイ!」
スカイは、跳ね上げられた剣を戻す前に右足で蹴りを出して、上半身が流れている暗黒騎士の足に足払いを掛けた。
 暗黒騎士は言った。
「掛かるかバカ!」
 暗黒騎士は前に身体が流れた不自然な体勢からジャンプしてスカイの蹴り足の上に立った。手足を前後に伸ばしてバランスを取っている。
スカイは蹴りに合わせて上半身を回転させながらベルトに挟んだナイフを抜いていた。スカイの足の上でバランスを取っている暗黒騎士の喉元にナイフを逆手で突きつけた。
マグギャランの「斬魔剣」も暗黒騎士の首に突きつけられた。
 暗黒騎士がスカイの右足の上に乗ったまま目を大きく見開いた顔で言った。
「し、しまった」
暗黒騎士は言った。
 「まず、剣を捨てろ。それから、俺の足の上から降りろよ。どうやって乗って居るんだよ」
スカイは自分の蹴り足の上に乗っかっている暗黒騎士に言った。妙に軽く感じた。
 マグギャランは言った。
 「さあ、暗黒騎士。早く剣を捨てないと首を切り落とすぞ」
マグギャランは暗黒騎士に突き付けた「斬魔剣」の刃を動かして言った。
 暗黒騎士は言った。
「油断した!この天才美少女が、こんな奴等に負けるとは!」
 暗黒騎士が不満そうな顔で剣を床に置きながら言った。
スカイは、足で暗黒騎士の剣を部屋の端に蹴飛ばした。
コロンの前ではシュラーヤが、炎の檻の中で動けずに、へたり込んでいた。さすが、コロン姉ちゃん、火炎魔法を使わせたら天下一品だぜ。
 マグギャランは言った。
「スカイ、どうするか?」 
スカイは言った。
 「これだ」
 スカイは足枷と手錠を顎で指した。
 マグギャランは頷いて言った。
 「まあ、当然と言えば当然だな。昨日俺達二人は鎖と手錠、足枷で転がされて殴る蹴るの暴行を受けたからな。おい、暗黒騎士、手錠と足錠を自分で掛けろ。まずは足枷からだ」
 暗黒騎士は言った。
「私はタビヲンの侯爵の娘だぞ」
 スカイは言った。
 「人の、お宝を盗もうとする奴等なんか、侯爵の娘だろうと関係ねぇよ」
マグギャランは言った。
 「そうだ、剣を交えた、この期に及んで、オマエ達の身分など、もはや関係はない。早く足錠を自分で拾って掛けろ。大人しく言うことを聞けば命は助けてやる」
 マグギャランは剣の刃を暗黒騎士の首に突きつけて促した。
暗黒騎士は悔しそうな顔をして足錠を取り上げて足に掛けた。
 スカイは暗黒騎士に言った。
「鍵はお前が腰に下げているだろう。それで、鍵を掛けて置け」
暗黒騎士は言った。
 「何で、手枷と足枷の鍵だと判る」
 スカイは言った。
 「鍵の形が手枷と足枷の鍵の仕組みと同じだからだよ。間違いなく、その鍵は手枷と足枷の鍵だ」
 暗黒騎士が悔しそうな顔で言った。
 「お前は盗賊だったのか」
スカイは言った。
 「人聞きが悪いな戦士だよ戦士。よく誤解されるんだよな」
困った物だった。スカウトだった頃から盗賊と、よく誤解された物だった。
マグギャランは言った。
「早く自分で鍵を掛けろ」
シュラーヤもコロンの火炎檻から出されてスカイとマグギャランに剣を突き付けられて手枷と足枷を掛けた。
 暗黒騎士は手枷の鎖をジャラジャラさせて言った。
「こんな可愛い女の子達二人を手枷足枷で縛るだけでも重犯罪で死刑なのに、私達は貴族よ!それも大貴族のヨーアック・クトイハ侯爵の娘よ!」
 スカイは言った。
 「知らねぇよ。大体、貴族とか言っている割りには育ちが悪いんじゃねぇのか。散らかしたら片づけとけよ。すんなり宝箱を持って逃げられないだろう」
 そしてスカイは、暗黒騎士達が昨日広げた宝箱の中身を小箱に戻しながら詰め始めた。
 暗黒騎士は言った。
「広げるのは良くても片づけはしないの」
 シュラーヤは言った。
 「そうです、そのような事は下々の者がすることです」
 マグギャランは言った。
「まあ、良い。この部屋には地図が張って在るな」
 マグギャランは事務机に向かっていって。昨日暗黒騎士が剥がした地図を持ち上げて見始めた。
 シュラーヤは言った。
 「騎士なのに、あなたはレディを手枷、足枷で縛って、それで良いのですか。良心が痛まないのですか」
そういやルシルスも同じような事言っていたな。顔は余り似ていないのに変なところが似ているぜ。スカイは思った。
 マグギャランは鼻で笑って言った。
「太陽光線の下で見ると、まだガキだな、オマエ達。オマエ達のような性悪の小娘達は騎士道的には守るべきレディではない」
 マグギャランの言うとおり朝日が射し込んで来ていた。確かにシュラーヤも暗黒騎士も太陽光線の下では、スカイと同じぐらいの年代に見えた。
 暗黒騎士が言った。
「こいつウジ虫のくせに、私のことレディじゃないって言った!」
 マグギャランは言った。
 「何度でも言ってやる。こっちは昨日散々、顔を蹴られたのだからな。オマエ達はレディじゃない。レディじゃない」
 マグギャランは子供っぽく二回も繰り返して言った。
 暗黒騎士が怒りの声を上げた。
「悔しい!」
マグギャランは顎をしゃくって余裕こいて言った。
「ハハッ、怒れ、怒れ」
暗黒騎士が言った。
「二対一で負かしたくせに。こんな奴等男じゃない」
 マグギャランは言った。
「ふふん。今日の俺のユニコーン流は絶好調だ。リバース・スラストが成功したからな。俺は、この技は苦手だったんだが。そんな技に引っ掛かって上体が流れる、お前の方が悪いのだ暗黒騎士」
 マグギャランは地図を見ていた。
 暗黒騎士が言った。
 「絶対、一対一なら、オマエ達なんかに負けないからね」
 スカイは言った。
 「よし、これから馬を奪って、宝箱を運んで逃げるぞ。この昔の金貨は、馬と地図の代金として置いていく。これで泥棒じゃ無いよな」
スカイは、箱の中身をしまい終えた宝箱から金貨を全部出しながら言った。金をくれてやるのも嫌だったが、ロザが、うるさく言っていたから、仕方がなかった。
 暗黒騎士は言った。
 「ちょっと待って、私達は、どうなるの」
 スカイは言った。
 「このまま、放っておくか」
マグギャランは言った。