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秘密結社ドゲッサー編第一話「オレたちが仲間になったわけ」

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 さあ、これから、頭が単純で、魔法の腕だけが高い魔法使いコロンを騙しに行かなくてはならない。そして情報を引き出すのだ。
 禁術などという魔法を何処で習得したかも聞き出さなくてはならない。
 シュラーヤもいるし簡単な事だろう。
暗黒騎士はトランシーバーを持って、笑顔を作った。そして胸をドキドキさせた。
 こんな感じのテンションで、掴みはいいかな。暗黒騎士は立ち上がって扉を開けた。
明日、コロン達は父上に殺されるかもしれないけれど。
可哀想だから優しくしてあげるかな。
 そして、思いついた事があった。ルシルスに確認する事だった。幾つものトランシーバーを経由した無線で実家の白鳥城を呼び出した。  
 そしてルシルスに繋がった。
 暗黒騎士は言った。
 「あー、ルー姉?」
ルシルスが言った。
 「はい、その声は私の妹のトパジアですね」
暗黒騎士は言った。
 「ルー姉。暗黒騎士だ。今度間違えたら刺すぞ」
 ルシルスは言った。
「今、ミシュカお姉さまが、緑マンゴーのクリームをたっぷり使った緑色のフルーツ・ケーキを作ってくれたので。お義母さまと一緒に食べて居るんですよ」
暗黒騎士は言った。
 「ルー姉はスカイに、マグギャランとコロンという冒険屋達を知っているか?」
ルシルスは言った。
「ええ、知っていますよ。あの人達とは恐いダンジョン・ゲームの最中に知り合ったんです。そして二重人格の悪い子のサシシ・ラーキになっていた間に「殺しの秘文字教」の布教の為に旅に出ていたコモンから、タビヲン王国へ帰るのを手伝って貰ったんです。でも、あの時はツルッペリン街道で滅茶苦茶な事が在ったんです」
どうやらスカイ達の言っている事は本当のようだった。

 スカイは言った。
「へへっ、俺の勝ち」
 スカイはトランプでマグギャランより上の役を出した。スカイは顎で合図をした。
 マグギャランは言った。
 「また、スカイの勝ちか、お前のギャンブル運だけは大したモノだな。これで、お前に貸しが金貨20枚と銀貨16枚か」
 そして地面を殴った。その音に紛れさせて、スカイはマグギャランの足錠の鍵を外した。
スカイは言った。
「おい、どうした、お前も、やらねぇか」
 スカイは手錠と足錠が掛かっているフリをしながら。全身にフル・プレート・メイルを着ている刈り上げた短髪の前髪が反り返っている見張りの兵士にタビヲン語で話しかけた。
兵士は首を横に振った。
 「職掌です」
 スカイは言った。
「固いこと言うなよ」
 兵士は言った。
 「職掌です」
真面目なだけの、とっちゃん坊やのような若い兵士だ、スカイより年上の様だが、まだ、十代後半ぐらいだろう。
 手錠と足錠は比較的、長めの鎖で繋がれていて、スカイのボケットに入っているトランプを取り出すのには不自由しなかったしスカイは一度、針金で手枷と足枷の鍵を外して、何時でも外せるようにして置いた。
 問題は、この牢獄の鍵の方だった。
見張りが居る以上、どうしても開けようとすると鉄格子から見えてしまう。
 鍵を開けている最中に大声を出されて仲間を呼ばれたら不味い。スカイはチャンスを見計らっていた。

そして……

 スカイは、目を覚ましたマグギャランに言った。
 「畜生、なんて、バカ真面目な見張りなんだ。奴は夜通し便所にも行かずに、ずーっと起きていたぞ。もう明け方近くだ」
マグギャランは欠伸をしながら言った。
 「そうか、だが、寝ている間に、大分、身体の傷は癒えたようだな」
スカイは小声で言った。
「仕方がない。昨日、立てた作戦を実行するぞ」
 マグギャランは言った。
「任せろ」
スカイは床に転がった。
スカイは言った。
 「イテェ!イテェ!助けてくれ!誰かを呼んでくれ!」
 スカイは仮病を使って床の上を転がっていた。
 だが、見張りはじーっと前を見ていた。
 まさか、コイツは、本当に起きているのか。
 スカイは言った。
「おい、マグギャラン。手を振って見ろ」
マグギャランは言った。
「まさか目を開けて眠っているのか」
 そして手を振った。
だが、見張りの兵士は、じーっと前を見ていた。
 スカイは言った。
「便所にも行かないで交代もしないで、変だと思っていたんだよ」
 マグギャランは言った。
 「そうだな、変な話だよなスカイ、鍵を開けろ」
スカイは言った。
 「任せろ」
 スカイは牢屋の鉄格子に付いた鍵に針金を差し込んで開けた。簡単な作りの錠前だから一分も掛からずに開いた。
スカイはマグギャランに言った。
 「あのバカ女二人を、とっ捕まえて牢屋に放り込んで置くぞ」
マグギャランが据わった目で言った。
「ああ、それは名案だぞスカイ。昨日は散々酷い目に遭ったからな。この手枷と足枷を、はめて放り込んでやった方が良いぞ」
スカイは言った。
 「まず、この目を開けたまま眠っているバカ野郎が騒ぎ出さないように猿ぐつわを掛けて手足を縛って牢屋に放り込んで置く。残りの2つの牢屋は、バカ女二人に予約済みと言うわけだ」
 スカイはマグギャランに合図した。
 マグギャランは首に巻いているスカーフを取り外した。そして見張りの口に声を出させないように巻き付けた。そのタイミングでスカイは見張りを押さえ込んだ。
 見張りが気が付いて起きて暴れた。
 だがスカイは手と足で見張りの身体を固めていた。
マグギャランがスカーフで猿ぐつわを掛けた。
だが、暴れる。なかなか力は強いようだった。
 マグギャランが持ち上げた右の拳骨に息を吹きかけた。
 そして見張りの顔を殴りつけた。
 スカイは言った。
 「もっと殴れ、気絶させろ」
 マグギャランは気絶するまで三発殴った。
 なかなかタフな奴だった。
 ぐったりとした見張りに猿ぐつわを噛ませた後、壁に掛けてあった拷問用具と、おぼしき鞭で手足を縛って牢屋に放り込んでおいた。
 スカイは言った。
 「手間かけさせやがって」
 見張りが持っていた牢屋の鍵で牢屋に鍵を掛けた。スカイは牢屋の鍵を自分の腰にぶら下げた。そして地下牢から地上一階?へ続く階段を昇っていった。
 マグギャランは小声で言った。
 「まだ、一番鶏も鳴かぬ夜明け前だ。早いところケリを付けるぞ」
 スカイは声を潜めて言った。
 「音を立てずに歩けよマグギャラン」
スカイは小声で言った。
 「よし、この地下の牢屋の出た所が勝負だ」
 そして階段から頭を半分出して建物の中を覗いた。どうやら見張りは居ないらしかった。
スカイはマグギャランに手で合図した。
マグギャランも上がってきた。
スカイは言った。
 「へへっ、しめしめだ」
 スカイは小声で笑った。
 マグギャランは言った。
 「そう言うことだ。意外にタビヲンもチョロイものだな」
 マグギャランも小声で笑った。
 一階の中を見てみた。
 スカイは言った。
 「やはりな。牢屋に使うためだろうが一階の扉には全部外から閂が掛かることは連れ込まれた時に確認済みだ」
 スカイは笑った。