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秘密結社ドゲッサー編第一話「オレたちが仲間になったわけ」

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 スカイは、何とかして宝箱から注意を逸らそうとした。
スカイは言った。
「待ってくれ、俺達はタビヲンに知り合いが居るんだ、ソイツに話を付けてくれ」
 マグギャランが言った。
 「スカイ、それは名案だぞ。ああっ、くそっ、もっと早く思いついていれば、こんな目に遭うことは無かった。そうだ、俺達はタビヲンに知り合いが居るんだ」
 巨大ヘルメット女が言った。
「話を宝箱から逸らそうとしているな。だが、まあいい、誰と、知り合いだって。そんじょ、そこらの奴では話にはならないな」
マグギャランは言った。
「タビヲンの貴族だ。これならどうだ」
 巨大ヘルメット女が言った。
 「それなら、話を聞こう」
 スカイは言った。
 「ボルコ男爵家のラメゲ・ボルコだ」
巨大ヘルメット女は手を振って、うざったそうな顔をして言った。
 「は?あんな、ペーペーの平男爵の長男じゃ話にならないよ。あの家は一騎打ちの時に最初に出す家だ。タビヲンの剣士の強さを、見せつけるために、まず戦わせられる家なの。
そうすれば、伯爵や、侯爵がもっと強いことが判るだろう?あの家は剣だけ、やっている刃物バカの家系だから発言権なんか無いの」
性格は最低だが、顔だけは美人の女だぜ。
 スカイは、巨大ヘルメット女の、うざったそうな艶っぽい顔を見ながら思った。
 マグギャランは言った。
「だが、奴は強かったぞ。俺は戦った事がある」
 赤ヘル女が言った。
 「何本剣まで行きましたか」
 マグギャランは言葉に詰まった。
「うーん、それは…」
確かに、あの時の負け方は情けなかったよな。
 スカイは口をつぐんだ。
だが、コロンが指を三本出した。
 おい、コロン姉ちゃん。
 それを巨大ヘルメット女が目ざとく見つけた。そしてコロンに向けて三本指を出した。
コロンは頷いた。
巨大ヘルメット女はニヤリと意地の悪そうな笑いを浮かべた。
コロン姉ちゃんヒデェよ。
少しはマグギャランの男を立ててやれよ。巨大ヘルメット女が大声で笑いだした。
 「三本剣のバラン流大カミソリ術か。ぷっ!ハハハハハハハハハハ!そんな腕で、よく伝説のドラゴンの迷宮から生還出来たなんてホラを吹くものだ!弱い!コイツ弱いよ!」
赤ヘル女も口元を拳骨で隠して笑っていた。
  マグギャランは顔を赤くして鎖を、じゃらじゃら鳴らしながら言った。
 「俺は、その時より強くなっている!それに、アイツは、もっと強くなれる男だと俺は信じている!」
 スカイは言った。
 「そんじゃ、爵位が重要なら、もう一人知っているぞ。コイツは変な奴だが爵位が高いことは高い」
巨大ヘルメット女はバカにしたような顔をして顎をしゃくって言った。
 「誰?」
 マグギャランは言った。 
 「クトイハ伯爵家の、ご息女だ」
巨大ヘルメット女と赤ヘル女が怪訝な顔をして顔を見合わせた。
 どうだ。参ったか。この野郎共目。
 スカイは内心勝ち誇っていた。
 巨大ヘルメット女が嫌そうな声を出して言った。
「まさか、頭でっかちの尻振りダーナ?」
赤ヘル女が口元に拳骨を当てて泣きそうな顔で言った。
 「もしかすると、あの人かも。頭文字がセの人」
 巨大ヘルメット女は声を潜めて言った。
 「セルラは不味いだろう」
 赤ヘル女が首を振って言った。
 「嫌、あの頭文字がセの人だけは嫌。思い出すのも嫌」
 巨大ヘルメット女が警戒した顔で言った。
「誰なんだい」
どうやら伯爵の肩書きにビビッたようだな。
タビヲンの奴はコネさえあれば意外とチョロイもんだな。
 スカイは内心しめしめと頷いていた。
 スカイは言った。
 「ルシルス・クトイハだ」
 巨大ヘルメット女は言った。
 「は、ルー姉?」
 赤ヘル女が言った。
 「なんだ、ルシルスだったの」
 何か、期待していたリアクションと違うぞ。
それに、ルー姉や、ルシルスと呼び捨てにするとはどういうことだ。ルシルスはクトイハ伯爵の令嬢だ。二重人格で、片方の人格は殺人宗教の邪神官サシシ・ラーキではあるが。
 スカイは怪訝に思いながら言った。
 「どうだ、爵位は高いだろう、さあ、俺達を早く解放しやがれ」
巨大ヘルメット女が言った。
「このスットコドッコイ。ルシルスは、私の1つ上の姉だ」
赤ヘル女が言った。
 「そして、私の1つ下の妹です」
 え?
 スカイは一瞬の内に思考が結びついた。
まさか、コイツラは!
巨大ヘルメット女が言った。
「ようやく判ったようだな脳タリン、私達姉妹はヨーアック・クトイハ侯爵家の嫡女だ」
 赤ヘル女が言った。
 「そう言うことです」
 マグギャランが驚いた声で言った。
「まさか、君がルシルスが言っていた。太りやすい体質の姉なのか」
 言った瞬間、椅子がグルグルとドリルのように回転しながらマグギャランに飛んでいった。
 マグギャランのいる方から鈍い音がした。どうやら椅子の直撃を受けたようだ。
「イテッ!」
 そんなことは言っちゃいけねぇんだよ。
 スカイはロザ姉ちゃんを思い出しながら言った。
ロザ姉ちゃんは恐かったな。
 ロザはクマのヌイグルミの口を縫ってスカイに見せて、口が災いの元になると、どうなるか教えた物だった。
スカイは、とばっちりを受けないように。黙って口をつぐんでいた。
 赤ヘル女が悲鳴のような声を上げた。
 「もう!嫌っ!ルシルスったら!」
キレると瞬間的に手が出るのかよ。清楚そうに見えてコエー女だ。いつの間にか刃物で人を刺しているような手合いだ。スカイは泣きそうな顔をしている、赤ヘル女を見ながら思った。
巨大ヘルメット女が意地の悪そうな顔で言った。
 「おー、ルー姉、そこら中でシュラ姉の弱点をリークしているのか」
赤ヘル女が、両手で作った拳骨で口元を隠して上目使いで言った。
「他にも何か、ルシルスは言っていなかったのですか?」
 何か、思いっきり内股になってヘナヘナと足が動いていた。ダボダボの服でよく、身体のラインはワカランが、ベルトを巻いている腰は細いみたいだしブーツを履いた足は細くて長いようだし、かなりスタイルは良いようでは在った。
 だが、なんか、うっとおしいよコイツ。
 しかもコエーし。
スカイは思った。
 マグギャランが、うめき声と共に言った。
「ううっ。そう言えば、他にも何か言っていったような気がするが……」
 スカイは叫んだ。
「おい!マグギャラン!あの赤ヘル女を見ろ!巨大ヘルメットを抱えているぞ!何も言うな!言ってはいかん!しっ!しっ!しっだ!お前は黙っていろ!終いには殺されるぞ!」
スカイは、赤ヘル女が抱えて、マグギャランに向かって投げつけようとしている巨大ヘルメット女の巨大ヘルメットを見ていた。
赤ヘル女は言った。
 「赤ヘル女ですか?それって私の事ですか」
 赤ヘル女が悲しそうな顔をして巨大なヘルメットをスカイの方へ向けた。
不味い!
 あんな重そうなヘルメットの直撃を食らったら生きてはいられん!
スカイは尺取り虫のように腰を動かして逃げようとした。
 巨大ヘルメット女は言った。