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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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こころのこえ 探偵奇談13

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詮索しないの、と母はたしなめる。

「だって、気になるじゃん。教えてよ」
「あんたはもう…」

内緒よ、と母は前置きしてから言った。

「おうちが、変なんだって」
「変って?」
「越してきてすぐから、なんか気味悪いことが起きるらしいの」

郁の家の三件隣先にある、小奇麗な中古の一軒家。白くて清潔な建物で、家を建てた老夫婦が、都会の息子と同居することになって急きょ手放したと郁は聞いた。まだ新しくて、外国の昔話に出てくるようなかわいらしい家だ。その家で気味悪いことが起きるなんて、ちょっと想像もつかない。

「おばけが出るとか…?」
「そういうんじゃなくて…」

母は不愉快そうに言った。深夜に二階の窓をノックされたり、時折食器の配置が変わっていたり、自転車のパンクが続くなど様々な怪現象が続いているのだという。

「ひどい…いやがらせ?町内会長さんには?」
「近所のひとを疑っていると思われたくないから相談しなかったみたい。母さん、奥さんとは職場が同じだから時々話は聞いてたんだけどね」

近所の保育園で、母は保育士をしている。友代はそこのパート保育士として週に二回勤務しているそうだ。

「警察にも相談はしたくないって言うのよ」
「でも…」
「そのうちおさまるだろうって構えていたらしいの。中古物件とはいえ、せっかく買ったマイホームだものね。でも収まるどころかひどくなるって言うのよ」