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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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こころのこえ 探偵奇談13

INDEX|48ページ/53ページ|

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「このままでは娘さんに障りが出る」

その一言に、両親は恐慌をきたした。

「そんな!どうか助けて下さい!」
「この子だけは!どうしたらいいですか!」

母親は莉子を抱きかかえる。普通ならこんな話、アヤシイと一蹴して終わるだろう。だが、この一家はいまや、わらにもすがる思いなのだ。それほどの状況に置かれている。言い方は悪いが、そこにつけこめば信用させることは容易い。

「邪気を払う必要がある。わたしにお任せ下さい。お代等は結構。すぐに終わります」

祖父はそのまま導かれて家の中に入っていった。玄関に残された颯馬はぽかんとしている莉子に目を合わせ、笑ってみせた。

「今までよく頑張ったね。もう、大丈夫だよ」
「…え?」
「って、瑞くんから伝言」
「瑞?瑞が?」
「そう。瑞くんはきみを助けるって約束したんでしょ?もう何も心配しなくていいからね」

ほんとう?そう呟いて涙をためている莉子の手を引き、颯馬は頷いてみせた。



祖父はリビングの床に両親と莉子を座らせた。

「じいちゃん、瑞くんから伝言」
「なんだ」
「なるべく派手に。莉子ちゃんにも理解できるようにお願いしますって」

ふん、と祖父は鼻を鳴らした。そして目を閉じたかと思うと。