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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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こころのこえ 探偵奇談13

INDEX|47ページ/53ページ|

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修験者の衣装を身にまとった祖父は、いつもに増して厳格に見える。もともとぎょろりとした目のおっかない風貌だから、ますます威圧感があるのだ。颯馬は祖父の隣を歩きながらそんなことを思った。

「ここが例の家」

瑞に教えられた莉子の家に¥で立ち止まると、祖父はフウと一息ついて首を回した。

「じいちゃん頼むね。人助けと思ってさ」
「わしは人助けに来たのではない」

颯馬の言葉に、きっぱりとした答えが返ってくる。

「幼い子どもをそこまで苦しめているバカ親に、我慢がならんだけだ」

そう言って祖父は、莉子の家の扉を拳でどーんどーんと叩いた。

(おお怖い。でもこれなら期待できそうだ)

ポルターガイストを終息させるには、その原因である莉子の中にある抑圧されたストレスを開放して取り除く必要がある。引っ越しをしてから、彼女にとってはつらいことが続いたのだ。

(あの子の気持ちの落としどころを作ってやらなきゃいけないんだ)

莉子の母らしき人物が出てきて、祖父を見て驚いたように声を上げた。

「わたしは通りすがりの者です。妙な気を感じて立ち寄らせていただきました」
「え?ええ?あ、あのう…」
「この家には悪い物が巣食っておりますな。失礼ですが、何か奇妙なことが続いてはおりませんか。怪我をしたり、家庭内に不和が生じていたり」

胡散臭い霊能者を見事に演じている。颯馬は笑いたい気持ちをこらえ、祖父の隣で深刻な表情を作って見せた。松葉杖姿の父親と莉子も何事かと玄関に出てくる。祖父は莉子を見るとまっすぐに指さした。