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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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こころのこえ 探偵奇談13

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プラシーボ



三日後。まだちらちらと雪が降っている夕刻。郁は颯馬に呼ばれて公園にいた。伊吹と瑞も一緒だ。ポルターガイストの原因がわかったのだという。颯馬のもたらした情報がヒントになったらしい。他言無用に首を突っ込んだことを颯馬は詫びてくれたが、郁にしたらありがたい話だった。莉子の悲しみを、終わらせられるのなら。

「あの現象は、莉子ちゃんがやってるんだ」

瑞から改めてその話を聴き、郁は小さな莉子の悲しさを思って胸がつぶれそうだった。

「そんなことがあるなんて…」

無意識の底で、気づいてほしい寂しさと悲しさを抱えていた少女。昨日経験した壮絶なあの現象。あれが莉子の心の叫びなのだと言われれば、怖さはもうなく、ただ彼女を哀れに思うのだった。

「それでね、今日莉子ちゃんのパパとママ、帰ってるって言ってたよね?」
「うん…莉子ちゃんもおうちに戻ったよ。でも…」

きっと現象は収まらないのだ。莉子の悲しさを取り除かない限りは。

「それで俺のじいちゃんに一芝居打ってもらうことになったから」
「え?颯馬くんのおじいちゃん?」

伊吹を見ると、彼は頷く。

「話を聞いたんだが、うまくいきそうなんだ。そろそろ颯馬のじいちゃんが莉子ちゃんちに着くころだ」

莉子の家に?一体何をしに行くというのだろう。

「俺はその手伝いに行ってくるから。詳しい話は伊吹先輩に聞いといて」

そう言って颯馬は踵を返す。

「颯馬くん。ありがとう。ごめんね、巻き込んじゃって」

いろんなひとの力を借りることになってしまった。颯馬は振り返ってキョトンとしていたが、やがてぱっと明るく笑った。