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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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こころのこえ 探偵奇談13

INDEX|42ページ/53ページ|

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「…で、おまえは何?一之瀬の好きな男を知りたいの?気になるの?」
「…なんか一之瀬が、どんどん大人っぽくなっていくっていうか、綺麗になってくっていうか、俺そういうの焦るんですよ。前まで、一緒に子どもみたいにはしゃいでたのに…」

口を尖らせ、子どもじみたことを言っている自分が恥ずかしくなってくる。

「クラスの女子に言われたんです。恋してるから綺麗になってくんだって」

ああ、俺は何を言ってるんだろう。だけど、伊吹は笑わなかった。静かに瑞を見つめて沈黙したあとで、優しい声でこう言った。

「おまえは、一之瀬がその男のために綺麗になってくのが悔しいんだろ」

え?

「先輩、それってどういう…」
「さあ、自分でよく考えてみればいいんじゃないの」
「えーなにそれ…」

もやもやしてるから相談してみたのに、と瑞は再び口を尖らせる。

「一之瀬がもしそいつと付き合うことになったら、瑞はどうするんだ?」
「え?そりゃあ…うん、一之瀬が好きなやつなら俺だって仲良くしたいかな…でも付き合う前にちゃんと面接して、悪い男じゃないってわかったらの話」

面接、と吹き出して伊吹がけたけた笑いだす。

「おまえはパパか!」
「だって!宮川主将レベルの男じゃないと俺許しませんから!変なやつに引っかかったらどうすんの!?」
「あはははっ!」

珍しい、伊吹が爆笑している。ソファに背をあずけ、身体を揺すって。何がそんなにおかしいんだろう。瑞はは解せない。

「ごめん、笑いすぎたな」

ひとしきり笑ったあとで、伊吹はようやく身体を起こした。